「自分の欠点は自分で選べない。でも、友達は選べる。」メアリー&マックス ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の欠点は自分で選べない。でも、友達は選べる。
クレイアニメっていうのは、こう―ワクワク、夢の様に、愛らしい、愉快な仲間と、毎日楽しい、素敵なファンタジー。ていう、自分が貼り付けた固定のイメージがありまして。
どっから来たイメージなのかwまあ結局、お子様向けだろうという、勝手な概念ですよね。
ほら、何か人形のストップモーションとは、また違うというか。
正直、自分的に、このジャンルに惹かれる要素は無かったんですよね。
見てる分には楽しいけど。物語としては…ちょっと。
でも、この『メアリー&マックス』。
ちょいとビックリです。ファンタジーどころか、かなり辛辣。つかエグイ。
2人の主人公、メアリーとマックスのコンプレックス、境遇、取り巻く環境、全てがヘビー。笑えない。
だからこそというか、それをクレイアニメで描くから、オブラートの役割になって、そういったハードな部分もユーモラスになる。
目も当てられぬ程の悲壮感は無い。
それぞれの部分を、それぞれが補完しあってる。
まさに、この映画のテーマですね。
監督アダム・エリオットが伝えたかったことがストレートに響きました。
世の中に、人に、絶対なる完全も完璧もない。
希望だらけでも、愛に満ち足りてもいない。居場所もないかもしれない。
辛いことばかり。
自分の欠点が嫌だ。
欠点を埋めたい。
でも欠点は自分で選べない。
持って産まれた先天的なモノは自分じゃ選択できない。
―でも、友達は選べる。
ああ、そうだな、と。
こういう風にして、幸せを感じ取ることだって出来るんだよね、という。
目頭を熱くしながら、劇場を後にしました。
コメントする