「どんな人も皆ユニーク」メアリー&マックス harizoさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな人も皆ユニーク
オーストラリア産の大人向きクレイアニメが
どんなのかと思いきや、意外とテーマが重くてびっくりw
「ウォレスとグルミット」となんかと比べると
ラブリーさにに欠けるし、デコボコした荒い見た目は
この映画の主人公たちのような不器用さそのもののよう。
でもよく見ると細部はよく作り込まれてて、見ているうちに
味わい深くなり、照明やアングルなんかも良かった。
冒頭から、オーストラリアに住む8歳の少女メアリーは
アル中で万引き常習犯のママと鳥の剥製作りが趣味の
パパと三人暮らし。
夢見る少女は、目は泥水色で額のアザはウンコ色と、、、
結構な言われ方ではじまり、ちょっとシュール。
この重いテーマをただ暗くせず、ブラックジョークを
交えて表現するには、実写だとキツくなっちゃうし
見ているうちに、このクレイの不細工加減が、実は
だんだん絶妙にしっくり落ち着くことに気づきましたw
主人公のコンプレックス持ちの少女と自閉症に苦しむ男の
繊細さ、寂しさはあるけど、他人に不必要に踏み込まれる
ことも苦手で&自らも踏み込めない不器用さ、
彼らが信じ合える事に必要な距離感など、実話ゆえなのか
とてもリアリティがある空気感あり。
“どんな人もユニーク”
“欠点は選べないけど友達は選べる”など
監督の深い愛情を感じ取れるとこが素晴らしかったです。
そんな世知辛い世を生きる孤独な主人公二人が、
恋愛感情を持つでもなく人間同士の絆が丁寧に
育まれていく様はなかなか切なく、
反則的なラストには涙腺ウルウルでした。
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