「大好きだ〜」エリックを探して ジャーニーさんの映画レビュー(感想・評価)
大好きだ〜
ケンローチ監督の作品はやはり良い。
うだつの上がらない郵便局員と愉快な仲間たちの物語。
ティーンエイジャーの男子2人のせい?で家の中はぐっちゃぐっちゃ。
もう、何ともならないくらい生活は乱れ切っている。
救いはエリックの部屋がきちんとしていることかな。
マンCとマンUの違いもいまいちわからないけど、監督のサッカー愛はひしひしと伝わるな。
カントナ選手についても全く知らなかったが、ちゃんとした俳優さんに見えた。
二足の草鞋か?うらやましい。
サッカーシーンは本物なのでワクワクする。
ダンスシーンはすごくきれいで見惚れてしまう。
それと郵便局の仲間たちがまたいい。
サッカーとビールを愛する、ビールっ腹のオヤジ達。
ミートボール笑
本を持ってくるたびに「万引きしたのか?」って…もちろんスルーだが、そんな会話が出来る関係性がいい。
コメディというジャンルだが、言うことやることは大真面目、だけど笑える。
他の作品もそうだが、どこにでもいそうな人達ばかりなのもいい。
そして、シリアスな社会問題、格差社会についての皮肉なセリフも忘れてはいない。
やはり監督は笑いながらも怒ってるのだな、と。
30年も前に逃げ出したエリックを割と簡単に許してしまうリリー。
「説明」とやらをもっと早くにすればよかったのにね。
最後の方ははちゃめちゃだったけど、ほっこりできる作品だった。
監督の作品には無名の(って自分が知らないだけかもだけど)俳優さんがたくさん出てくる。
本作品でもエキストラではなく、セリフがある愉快な仲間達も正直これっきりじゃないかなと思える方達。
見た目はいまいちでもどんどん魅力的に見えてきて、他の作品ではどんな役かな、ともっと見たくなってしまうのである。
対談で、監督は人を尊敬し、愛情深く撮影されていると聞いた。
いろんな人の良いところを引き出してしまう監督はすごいと思う。