「賛否両論ありますが……」パラノーマル・アクティビティ わたぼうさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否両論ありますが……
この手の映画には賛否両論ありますが、結局は好みの問題かと。
超低予算で作られた作品が何億ドルもの興行収入を叩き出したのは素直に評価すべきだし、宣伝が圧倒的に上手かったことがその一翼を担っていたのは確かである。
ここ10年ほど、こういった「モキュメンタリー」と呼ばれる作品が一定の地位を確立し受け入れられている。
「ブレアウィッチ・プロジェクト」から、最近では「THE 4TH KIND」、「アルマズ・プロジェクト」。広義で言えば「クローバーフィールド」なども入るだろう。
個人的にはこのジャンルの映画は好きな部類で、怖いもの見たさ的に劇場に足を運ぶ。
このジャンルの共通項として、人間以外の何かとの接触や、音を駆使した臨場感が定番になっている。
だいたいオチや展開は読めるのだが、何故か引き込まれてしまう。
それは、エンターテイメント作品として仕上がっているからだ。
言い方を変えれば、「この話がノンフィクションなら良いな」と思わせられる説得力がこの映画にはある。
本作はこれまた定番な、定点カメラでの「報告」と、ハンディカムでの「追跡・調査」の2種類の見せ方で物語が進んでいく。
観客をハラハラドキドキさせるのは「追跡・調査」のターンだ。
正体不明の何かとの遭遇。しかも相手はこちらに友好的ではないのだから、何らかの被害を被る可能性が高い。
それなのに無鉄砲に突っ込んでいく主人公のミカには殺気すら覚える。
欠点としては、全編が室内で展開されていることにより状況の類似と、展開のマンネリ化によってさらなる恐怖を感じにくい。反射的な恐怖はあっても、継続的な恐怖に乏しかったのが残念だ。
中身がないだの、荒唐無稽だの言われる方もいるだろうが、この映画はそれで良いんだ。
設定を作り込む必要はなく、見せ方にさえ気をつければ大丈夫なタイプのエンタメ作品。それが「パラノーマル・アクティビティ」という映画だ。
モキュメンタリーでは定番だが、映画の最後の方にエピローグが挿入される作品が歴史物などを中心に存在する。
自分としてはそれがけっこう楽しみだったりする。