「人疲れしたときに、また立ち寄りたい」バグダッド・カフェ 4Kレストア版 NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
人疲れしたときに、また立ち寄りたい
前提として
・パーシー・アドロン監督の他作品は未視聴。
苦いコーヒーが飲みたくなる。
劇的な内容ではないし、ストーリーにどんでん返しがあるわけでもない。だからこそ生まれるこの安心感。
ジャスミンが少しづつ受け入れられたように、自分たちまで居心地が良くなっていく。日常の先にある、ちょっとした異空間。
カメラで映そうとしたもの全てに意味があって、わざわざ説明しないけどちょっとずつわかっていく感覚がまた良い。こういう映画、最近観なくなったかも。
描いてない部分って、観客が勝手に補完するんだよね。少なくとも補完したくなる映し方だった。
だからなのか、"小さな奇跡"みたいな言葉でこの内容をまとめられると違和感がある。奇跡……というべきだろうか?
コーヒーの好みの話とかすごい好きだな。序盤とやかく言っていたのに、終盤でお互いを受け入れ合う変化が、コーヒー一つで描かれていてグッとくる。
観たら、誰か一人は好きになって帰れる映画。自分の場合はデビーとかルディとか。サルもいいね。
家族よりも、ちょうどよい距離感。友達というかなんというか……
都会で人疲れしたときとか、たまーに帰ってきたくなる。そんな作品。
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