「2回目は疑問点を確認しながら見た」バグダッド・カフェ 4Kレストア版 助六さんの映画レビュー(感想・評価)
2回目は疑問点を確認しながら見た
▪️ジャスミンの 旦那に嫌気が差した理由を探した結果
・粗雑な運転や動作 ・空き缶ぶん投げる
・用足し後 建物をガーンと蹴る 無意味な乱暴な行動
・ジャスミンに泡が飛ぶようわざと缶を開ける 子供じみた行動 (ジャスミンもイラッとしてビンタする)
・誤発進なのか車をバックしてぶつけた しかも三回も(コント⁈ ) コレが限界の最後のトリガーだったっぽい
・タバコが許せん
・黄色ポット置いていったのはせめてものジャスミンの為なのか?それともジャスミンのポットで こんなものいらねぇ だったのか?
▪️二つの光
旦那のもとから去り 道を歩き出した時に空に光が二つあった。(2回目で気づいた) ジャスミンの部屋の絵に描いてあったやつ。コックス曰く 太陽が宇宙エネルギーの鏡に反射しているとの事。
二つの光の間にジャスミンが立ってる描写が幾度か印象的な効果音と一緒にサブリミナル的なカットで出てくる。ビジョン。後にジャスミンは二つの光のタトゥーを入れる。この光に何かを感じたのだろうか。何を表しているのか? 自分はどう反射しているか?「私のビジョンね」とは?
▪️空き缶片付け
ジャスミンもブレンダも イライラして最悪な気分の時なのに 散らばった空き缶を片付ける。そこに何となく女性の役割的な、片付けなければならないという事が染み付いている虚しさ?悲しさ?しんどさ?とにかく言い表せない感情を覚えた。
▪️ブレンダの気持ち解る...
不甲斐ない旦那、自分の好きな事だけして遊びの金をせびる娘、赤児の面倒もみずに息子が弾くピアノの音も騒音に聞こえる。
子供達の手伝いもない。自分だけが働く。洗濯物も赤児の面倒を見ながら。旦那が拾ってきた黄色ポットすら絶対排除したいほどガミガミ怒鳴るのは易怒性の精神疾患になる程に悪い状況が続いてるのが原因だと思った。無理もない わかる
▪️ジャスミン
受け入れてもらえない時期のひとりぼっち感
カフェに入るも皆んなが「よそものが来た」という雰囲気になり。部屋に戻りひとりで 旦那の荷物の中にあったマジックグッズをいじる他なく。この時ジャスミン泣いてた( ; ; )わかるよ...
だけどコックスさんは話しかけてくれたし、保安官が職質に来た時も背後から葉っぱ持って手を振って挨拶してくれて思わずジャスミンが笑顔になったから良かった。
旦那と一緒の時ではわからなかったけど、赤児やフィリスへの応対がとても愛情深くて。
買い出しメモ書きや掃除や子守りはブレンダがいっぱいいっぱいだったのを手伝ってあげようとしてたんだなぁと思った。
掃除=生活。ここで暮らそうという。
きっちりセットしたヘアースタイルが徐々にほどかれていく。観光客から住人へ。
心の様子の表現。
ブーメランが飛ぶシーンごとに。
物流交通が過ぎるシーンのたびに。
人物との交流も少しずつ進む。
▪️カヘンガ
「ブレンダさん そんなんじゃダメですよ」 という見守り人でもあったと思う。遠くから双眼鏡で見てた謎の旦那も。
▪️コックス
コックス目線のジャスミンはキラキラ輝いててスローモーションだった。本当の恋だと思う。絵は、本当にアーティストとしてなのか スケベ心が若干あったのかは私には解らない。
ジャスミンがサロモのピアノに聴き入ってる時、椅子ごとだんだん近づいて行った後で、跪き手を差し出し プロポーズの仕草のような動きが。恋心が愛情にまで進んだビジョンが浮かんだのか。プロポーズのセリフが事務的に見えるのは ジャスミンにはその気持ちは無かったら...など 相思相愛の確信が持てずに、自信持ってハッキリとうまく言えない感じなのかな?と思った。
絵が進むたびに、カフェが賑わっていくたびにジャスミンが変わっていく。服装も。絵の構図の大胆さも。正直その辺でとどまって欲しいと思ったところで保安官再登場。(初見、マジックで客の持ち物をスリして、そこまで悪どく変わってしまったのかと思った...スリの噂が保安官の耳に入り逮捕に来たのかと思ったけど違った...)
ジャスミンが帰ってしまった後の喪失感が物凄い。
黒電話が鳴る。もしもし?どこからかけてるの⁈ (ガチャガチャガチャ!) ローゼンハイムからだわ...
ブレンダさん 自分で電話切りましたよね
▪️デビー
無関心を装うも鏡越しでジャスミンを見ている
仲がよすぎるわ、と出て行く 謎
▪️異文化への描写
・ブレンダの初見に人喰い的なカットが入る(ドラム缶で煮られるジャスミン)偏見
・手の中は白いのね
・カフェ客の財布を「日本製ね」と小馬鹿にする。当時の日本製の位置付けはどんな感じ?
ミュージカル調のマジックショーは少し異質に感じてしまう。静かに進んでいた雰囲気がガラッと派手に。
見た後 不思議な気分になる
静かに見たい良い映画