「重苦しい家族関係が運命的に繋がっていく。」息もできない kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
重苦しい家族関係が運命的に繋がっていく。
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サンフンの父親は殺人罪で出所したばかり。妹を包丁で刺してしまい、母親は家を飛び出し車にはねられて死んだようだ。異母姉と甥ヒョンインとは口は悪いが仲良くしている。とにかくすぐに殴る蹴るの暴力男で口も汚いサンフンではあったが、道端で唾を吐いたところ、唾が女子高生ハン・ヨニ(キム・コッピ)のネクタイにかかってしまう。口喧嘩が始まるが、鬱陶しく感じたサンフンが思わず彼女を殴ってしまうという、最悪の出会い。「このチンピラ訴えてやる」とか「高校生は勉強してろ」とかで罵り合う2人だったが、何故だか仲良くなっていく。
ヨニの家では、ベトナム帰りの父親が精神を病んでいて、母親が亡くなってからは世話をするのも大変な状況。弟のヨンジェは遊んでばかりで金遣いが激しい。そんなヨンジェが友人を介して取り立て屋の仕事をするようになるのだ。サンフンにはその関係すらわからず、手下として働かせるようになる。この時点で、この2人が終盤の展開に大きく絡んでくることは予想がつくのだ。
新人の弟分でさえ、平気で殴るサンフン。これに我慢が出来なくなったヨンジェが金槌で彼をめった打ちにして殺してしまうのだ。終盤の怒涛の展開。甥のヒョンインの学芸会のために社長のマンシクとヨニを友達として引き合わせ、そしてヤクザな商売から足を洗おうと決心した直後の出来事だったのだ。
明らかに低予算の映画ではあるが、親子の血は切ることができないやるせなさを見事に表現した作品。
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