「浮世離れしたファンタジー?」カケラ ikuradonさんの映画レビュー(感想・評価)
浮世離れしたファンタジー?
桜沢エリカによる少女コミック「ラブ・ヴァイブス」を原作とした、奥田瑛二の長女・安藤モモ子の初監督作品。ちなみに彼女の妹は、最近売れっ子の女優・安藤サクラである。そして主演は「愛のむきだし」で鮮烈な印象を残した満島ひかり&「ハッピーフライト」にちょっこり出ていた中村映里子。こう書くと、ガールズ臭がプンプンしてくる。
原作を読んでいないのだが、なんだか浮世離れしたファンタジーのような映画だった。舞台はおそらく東京のどこかなのだけど、なんだか古くて懐かしい空気が漂っていて、それでいてモロに現代な香りも漂う。出演者がどこかみんな幽霊みたいなせいかもしれない。
で、この2人の芝居はなかなかすごい。女の子同士の恋愛がテーマというよりは、コミュニケーション不全の世の中で、肉体突き破って魂を観察するような、非常に感覚で押してくる映画。作り手も演者も、言葉じゃないもので叫び続ける。結局のところ、「好き」とか「足りない」とか「満たされる」とかって、言葉では説明がつかないのだ。女の子特有のフェロモンが、それを全開で訴えている気がする。
でも、ストーリーを語れと言われると、覚えていないのだな。
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