「問答無用。素晴らしい作品です」カケラ 店員さんの映画レビュー(感想・評価)
問答無用。素晴らしい作品です
2回ばかり観てきました。
特に2回目のあとには監督、満島さん、中村さんの舞台あいさつがあって (5/24)、すごく得した気分になれました。
(※以下、ネタバレあります)
◎だったところ
1.この作品全体を流れる空気感が心地よい。ゆったりした感じ。細かいことは抜きにして、もうこれだけでポイントは5です。
2.オープニングで、ハルが了太の顔をつねるところがキュウトだった。
3.了太の靴下に穴があいていたところで、了太のキャラが一発でわかったような気がした。
4.ものを食べるアップのシーンが何気に印象深かった。了太がサラダやトーストをむしゃむしゃ食べる、ハルが立ち食いそばを食べるなど。
5.ハルのイタい感じのファッションがすごく良かった。でも、舞台あいさつでの話によれば、あれはドイツの少年のファッションで、値段的にもかなりお高いそうで(?)
6.了太のいい加減さがいかにも今ふうで良かった。ああいう男が案外女にもてるんですよね。
7.ハルとリコの、飲み屋でのけんかのシーンはまじで怖かった。一瞬だったけど、本当に恐怖を感じた。でも、それがリアルで良かった。
8.ハルの朝のトイレのシーン、公園での生理用品のシーン。男からすると日常ではまずのぞけない禁断のシーンなので興味津々だった。安藤監督という、女性監督だからこそのシーンでしょうね。
9.一番良かったシーンは、2人がペットボトルを投げ合うところ。2人の仲の良さがあのワンシーンに凝縮されているような。
10.2人が絡むレズシーン(?)が綺麗で良かった。
11.バックに流れる音楽が全体的にカッコ良かった。ガンガンロックしてたなあ。作中に登場してた、パンツ一丁で雄叫びパフォーマンスのバンドはパンキッシュでイケてた、
12.舞台あいさつで3人が並ぶと、実に美しく、壮観だった。かなりどきどきした。まだ20代の、あの3人の女性がああいう作品を生んだってことが凄いと思った。ミラクルです。
13.ひとつ発見だったのは、舞台あいさつでの素顔の中村さんが、作中と違ってずいぶんと控えめでおしとやかな日本的女性だったこと。それから、満島さんと安藤さんについては、話し方や話す内容から、お二人とも非常に才媛というか頭の良い女性だなあと感じさせられた。
14.随所で鳩が効果的に登場していた(舞台あいさつの質問コーナーでは、やはり鳩について質問している人がいた)。
15.最後がハルの叫び声で終わるのがカッコ良かった。あれは何を示唆しているのでしょうか……。
△だったところ
1.ハルとリコがコンタクトするとき、ケータイの“電話”ばっかり使ってたけど、実生活ではケータイの“メール”のほうが多いんじゃないかなあ。特に仲直りしようとするところの最初とかは、電話よりメールの方がコンタクトし易いんじゃないかなあと思ったり。
2.ハルがリコと初対面して、日が変わって2回目に会うとき「じゃ、昨日のカフェで12時半ね!」みたいなアポイントメントになってたのに、その後のシーンではハルがリコの仕事場にいきなり来てた。あのシークエンスがわからなかったです。ひょっとして僕が何か見落としてるのかなあ(2回も観てるのに)。2人の間で別のコミュニケーションがあって、カフェで会わず、仕事場で会うことになった……(?)。
<追記:このレビューをアップした翌日、ツレより指摘あり、あれは2人がカフェで会ってランチやコーヒーを済ませてから、オフィスに行ったんでしょとのこと、たぶんそんな感じなんでしょう。映画の観方、修業します。。。>
×だったところ
特に無し
☆ま、何はともあれ、問答無用、お勧めの映画です。
☆それにしても、これが安藤監督の『処女作』と聞かされてびっくり。恐れ入りました。将来が怖い人だね。
すみません、文字数制限で中途半端に。
近く着いて、電話して、正確な場所を改めて伝え聞いたんだと思います。
何にせよ、評価の低いレビューも散見されますが、空気感がいい映画でしたね。
10年越しのコメント失礼しました。
だいぶ前の投稿なのにコメントしてすみません。先ほどこの映画をみて、投稿を拝見させて頂きました。よく細部まで覚えてらっしゃいますね。確かに全て印象的な所作、部分でした。
△だったところ、自分なりの解釈。
1.本物のメンヘラと付き合うとほとんど電話でのアプローチです。メールよりすぐに会話のキャッチボールができるし、安心できるんでしょうね。逆にリアルを感じて懐かしさを覚えました。
2.カフェの近くに会社があるから、近く着いたら電話してねー、と言う意味かと