劇場公開日 2010年12月1日

「レビューはどれも正しい」SPACE BATTLESHIP ヤマト fuurinさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5レビューはどれも正しい

2010年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

この映画に関してのレビューを拝見すると点数が低い人と高い人に大別されるような気もするがどれも正しいと感じた。

自分の知っている宇宙戦艦ヤマトを見に行くのではなく、まったく新しいストーリーのヤマトという作品を見る覚悟で臨むのが正解だと思う。
宇宙戦艦ヤマト世代であるとはいえ幼い記憶にハドウホウという言葉が残っている程度だったせいもあり、ストーリーをさほど覚えていなかったことが功を奏し、この作品には感動できた。
過去にみた映画を含め3.9ポイント以上など決してつけることのない自分がなぜに、この作品に対しここまで高得点を入れることができたのかといえば、古代(木村拓哉)のあらゆるメッセージが自分の勝負をかけている私生活とマッチングしたものだったからであるような気もする。
ハドウホウを撃ち過ぎる、ワープをし過ぎる、地球人は日本人だけ? など過去レビューに書いている人たちの疑問やうっ屈感を感じる場面もあるが、メッセージと迫力、ストーリー展開という重要項目だけで十分心を揺さぶられた。
ただし、私が満点をつけられなかった要素は大きく二点ある。
時間的な問題だとはいえ、とっかかりの出演者たちのやりとりが、誰だかわからせようとするあまり、相手を名前で呼び合いすぎ、三文芝居にしか感じられなかった点。
冒頭で客がぐっと入り込みたい場所なだけにもう少し脚本で工夫できたのではないか?というマイナス。
あと、ハリウッドの法則とはいえ、ラブロマンスをこの作品にぶちこむ必要が本当にあったのか?という点である。というのも、恋愛要素を含めなくても十分に感動できる秀作に仕上がっていたにもかかわらず、古代がところどころラブシーンに入ることで、人類やリーダーとしてのメッセージを訴える古代という人間が途端に薄っぺらい存在に見えてしまうからである。
しかし、私ももう一回は映画館に行き、おもいきり涙を流したいと感じている。

fuurin