レッド・バロンのレビュー・感想・評価
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音楽が良い
役者はとても魅力的なのに、肝心の戦闘シーンが少ない。
絶対に必要な最期の戦いは描かれないし、戦争映画なのに途中から恋愛に割り振ってて、結果どちらも中途半端になってしまっている。
恋愛要素を入れるんなら生い立ちからもっと詳細にドキュメンタリーとして完成させるべきだし、取って付けたような恋愛要素はいらない。
戦争映画で戦争シーンより恋愛シーンの方が長いってどうなの?一体誰をターゲットにしてるのって思う。
絶対的なエースを等身大の人間として描きたかったのかも知れないが、苦戦するシーンの方が多いし、これじゃリヒトホーフェンの強さが全く伝わらない。
良い雰囲気の映画で、作り方次第では傑作に化けたのに残念です。
音楽はとてもカッコ良くて、サントラがプレミア化してる。
大空に夢を追う天才操縦士
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
リヒトホーフェンという第一次大戦に活躍した有名な撃墜王の話だが、空中戦を中心にするのではなくて、彼の人となりを戦争を通じて描く。
空中戦の特撮部分に関しては、悪いわけではないけれどハリウッド大作よりも質と迫力が落ちる。また、思ったよりも空中戦の戦術や戦闘の描写は少なくて、特に後半は文学的な静けさや耽美さを漂わせる雰囲気になってくる。だがこの作品は空中戦を売りにした迫力を楽しむ作品ではないようなので、その点は大きな失点にはならなず、こういう路線もありかなと思う。
冒頭は空からの墓参りと空中戦と女という派手に見せるための場面があって、それがちゃらく感じてこういう路線の娯楽系作品なのかと思ったが、雰囲気はだんだんと変わってくる。飛行機という発明されて間もない新兵器が実戦に初めて使われたこの戦争では、この新兵器を操る操縦士達の間には独特の敵味方を超えた尊敬や友情もあったし、リヒトホーフェンもまたそのような意識を共有する人物の一人であったと聞く。
しかし戦争が進むにつれてそのような余裕は徐々になくなり、次々に戦死していく戦友や泥だらけの塹壕の中で砲弾に怯える一般兵士たちを見て戦争の厳しさと現実を実感していく様子が描かれる。彼の考えている以上に戦争の悲惨さがあって綺麗ごとではすまされないという部分で、飛行機に夢中になり大空にただ夢を追う彼には職業軍人としての幼稚さと甘さもあったのかと思う。だが多くの困難にぶつかり現実に打ちのめされ苦悩しつつも、若くしてその天賦の才を見せつけて散っていった英雄の生涯を哀しくも魅力的に描いているのはなかなかのものだった。
ドイツ映画でドイツの俳優出演なのに、出演者本人による英語での台詞は驚いた。これは国際的な興行収入を狙ってのことらしい。
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