手のひらの幸せのレビュー・感想・評価
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日本映画らしい日本映画
布施明原作の絵本は知らないが、登場人物に悪人は1人も登場しない。だから、昔は誰もが貧しくて飢えていたあの頃の記憶が甦る。
兄弟2人で“希望”を求めて彷徨い、ほんの僅かの時間の間だけ両手に抱えた《幸せ》に、逆に戸惑う。
前半は如何にも古臭い作風に、「何だよこれ!」的な感想を持つのですが、映画を観て行くに従い、この兄弟の話に少しずつ入り込んで行く。
そんな前半部分を我慢して観て行くと、一転して後半の兄弟2人での逃亡劇には、心にじわじわと染み入る様に泣かせる演出になっている。
日本の原風景と相まって、作品を支える核の部分です。
これぞ!日本映画らしい日本映画と言えるでしょうか。この手の日本映画が好きな者としては、ついつい甘くなってしまいます(苦笑)
(2010年2月4日スバル座)
日本人に生まれて良かった
「ぴあ満足度1位」といった情報をネットで入手し、DVDレンタルで鑑賞しました。 飾り気のないおさえめな演出から、素朴感が感じとれて好印象でした。 日本の少なくなった美しい田園風景をバックに繰り広げられる人間模様。 「人の幸せとは何か」を考える機会をあたえられた気がします。 あまりの感動に、大泣きしたため翌日は目が腫れ、人に会い辛くなって困りましたが、 心の洗濯ができたことに大満足! ぜひ子どもにも見せたい映画です。 若い世代の恋愛映画や観客に媚びたような映画が多く存在する今の時代にあっては 映画「おくりびと」のように、地味な題材だと思いましたが、 日本人独特の精神的美徳、日本の文化の美しさ、優しさに触れられた映画でした。 この映画を企画したプロデューサー、スタッフのこだわりに敬服します。 これからも、日本映画に一石を投じてもらえる映画を期待しています。
愛が守った成長!
高度成長、出稼ぎ、その背後に幼い兄弟が懸命に生きる姿、そして周りの優しい方に支えられる感動の物語です。また、豊富な物質世界に囲まれた若い世代に、幸福とは何かを教えてくれた映画でもあります。
これでお金をとるのは反則でしょう(泣&怒)
今作、今年の紅白から出場辞退を発表した 布施明さんの童話がベースになっています。 加藤雄大さん初監督作品で、 新潟でロケが行われたためか、 新潟では1月16日から先行公開されていました。 当サイトでの評価も高く、 公式HPには「涙を誘う」なんて 文言もありましたので、楽しみに上映開始を待ったのでした。 ☆彡 ☆彡 1名途中退席 ・・・(崩れ落ちる) ・・・・・・・・・(失笑) ・・・・・・・・・・・・(苦笑) そして、半数ほどのお客さんが姿を消した え~、上映中から 客電点灯までの映画館での出来事と わたしの動きを時系列で表現してみました。 オープニングで表示された “文部科学省選定”で察するべきでした。 小学生のとき(古いなぁ) 学校の体育館で見せられた映画を思い出しました。 いかにも道徳の授業に出てきそうで、鑑賞後に先生たちが 「いい映画でしたねぇ」と判を押したような笑顔で迫ってくるようなやつ。 なんか、お金払って、 先生の、説教を受けているみたいでした(苦笑) ◇ ◇ 原作は、まさに良書なのでしょう。 ただ、映画化にあたっては、 脚本に緊張感なさすぎだし、 ストーリー進行にリズム感は皆無。ひたすらダラダラ。 一番、頭をかかえたのは 浅利くん、河合さんの子供時代を演じた子役。 本人や、親御さんが観ていたらごめんなさい。 これ、監督の責任ですから、気になさらないで下さい。 “感想を述べるレベルに達していない もう失笑するしかないほどのひどさ“ 子役で演技が巧い子 現在はたくさんいるのに なぜこの2人をキャスティングしたのか。 監督は演技指導をしてあげたのか。 映画は残るだけに、この作品が残ってしまうのは、 2人にとって、可哀想としか言いようがありません(泣) ☆彡 ☆彡 2008年12月に鑑賞した 『ピョコタン・プロファイル』並みに酷かったです。 上記作は、アイドル映画で無名な子ばかりで許す余地がありますが、 今作は、村田雄浩さん、永島敏行さん、仲間由紀恵さん、西田敏行さんといった ビックネームが、ずらりと顔をそろえていますので、こちらのほうが始末に負えないでしょう。 この展開で、主人公と似た体験をした人ならともかく、 純粋に作品を観に来て、感涙した人は本当にいるのかな。 つまんなかったよ~~~、って泣き崩れそうな人はいそうですけどね(苦笑)
シンプルさの勝利!
有楽町スバル座で観た! この劇場は名画が多く信頼を寄せていて、ふらっと入る! さて、監督の加藤雄大は初総監督だそうだが、撮影監督としてキャリアが長いだけあって映像が綺麗!過剰な演出もなく、ストーリーがすんなり入ってきた!内容がお涙頂戴的なものだけに、見え透いた演出を感じてしまうと興ざめしてしまうものだが、そこはクリア! 主演の浅利陽介は子役時代からコンスタントに目にするが、若いのに演技派!記憶にある他の役柄とイメージが全く被らない所は、今時のアイドル役者とは違う、職人的なプロといったところか? 内面的な表現が良かったのは解るが、フルート演奏シーンなどは極めて専門的な技術がいると思うのだが、、彼は実際にかなり吹けるに違いない! その浅利を食わんばかりの好演を魅せたのは兄役の河合龍ノ介。どう転んでも好青年の兄を実直に演じた。もっともこれには兄弟の幼少期を演じた二人の子役達の涙ぐましい力が関係している。弟を庇い父を思う兄役は、子役から見事に一本の線として引き継がれており、イメージが切り離せない(したくない)のだ! この作品に起伏はない!しかし、じんわり暖かくなる感じがして、後味が良いのだ!。それは日本人が誰しももつ絆、思いやり、感謝といった普遍的な感情を解りやすい形で提示出来ているからだろう! 最後に感動的な主題歌を含めた、ふんだんな音楽シーンの出来にも好印象を持った事も記しておきたい! 了
ロケ地、新潟県民なので一足お先に
地元ロケ(私もエキストラ参加)ということで、全国に先駆けて1月16日、新潟で鑑賞ました。舞台挨拶も見れてラッキーでした。新潟県民としては、まず背景の美しさに目がいきました。普段なにげなく目にしている田んぼ、夕焼け、レトロな商店がスクリーンに映し出されると、実はとても味わい深い景色なのだと改めて気がつきました。ストーリーは、とても感動して何回もなきました。観客席もすすり泣く声がこだまし、もらい泣きしました。あたたかい家族っていいなと思わせるシンプルなストーリで、考えさせられました。たとえば高度経済成長を支えた名もなき人々の存在や、新潟を離れる選択をする学生の台詞など。。。特に少年時代の回想は、ほほえましく笑える場面があり、話は決して暗くはありません。「自分はついてない、不幸だ」と思っていたときみたので、余計タイトルの意味が心に残りました。
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