「好き嫌いが別れる内容」ケンタとジュンとカヨちゃんの国 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
好き嫌いが別れる内容
はつり屋のケンタとジュンは、日々の閉塞感にうんざりしていた。
ブスで馬鹿で腋臭のカヨちゃんは、ただ愛されたいだけだった。
『ゲルマニウムの夜』の監督作品ゆえに、かなり身構えて観ていたのだが、かなり分かり易いストーリー展開には、逆に拍子抜けしていたら…。
やっぱり最後はよ〜解らん(苦笑)
何であんな展開にしたのかな?
一応作品中に「海の向こうには何が有る?」との会話はしていたが。
いや、海云々は解るところが在る。
日常の閉塞感。何も変わらない現実。この現状を打破する為には“ぶっ壊す”しか無い。
若者に在る、或る種の焦りみたいな物は巧く表現されていた。
それだけに、「そんな物持ち出さんでも…」と言ったところ。
まさか、松田優作のDNAを受け継いでいるからか?だったらそんな阿呆な(苦笑)
松田翔太と高良健吾。共に今時の無気力な若者像を分かり易く表現している。
今回安藤サクラは、完全なる汚れキャラ。『俺たちに明日はないッス』や、『すべては海になる』等、最近は専らこの手のキャラクターにはなくてはならない存在になりつつ在る。
新井浩文がいつも通りに嫌な野郎を演じれば、カメオ出演の多部未華子ちゃんは、まさかのキャバ嬢役で驚かす。
友人役で柄本佑が登場した際の、母親役洞口依子との関係や、施設の人達との関わり。小林薫が面倒を見ている土佐犬のエピソード等も、この2人が於かれている社会との関係性を反映しているのでしょうが、観ていてもあまりぴんとは来なかったのが本音。
これは好き嫌いが別れる作品ですね。バイクに乗る直前での、○れてるのに大○の場面も含めて。
エンディングでスタッフの表記にて、《はつり指導》と在りちょっと笑う(苦笑)
(2010年6月13日新宿ピカデリー/スクリーン8)