劇場公開日 2011年1月15日

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ウッドストックがやってくる : 映画評論・批評

2011年1月18日更新

2011年1月15日よりヒューマントラストシネマ渋谷にてロードショー

小さな変化の集積が一気に爆発する、その瞬間を目撃せよ

69年のウッドストックのフェスティバルの映画だということでてっきり音楽中心の映画だと思って観てみたら、全然そうじゃなかった。フェスティバルでの演奏シーンはほぼ一切なし。それを見たいならドキュメンタリー作品を見ればいい。この映画はそのフェスティバルを仕掛けた裏方の人たちの映画なのだ。

今ではウッドストックといえば音楽ファンなら誰もが思い浮かべるニューヨーク州の田舎町だが、当時はもちろんアメリカ人のほとんどが知らない。フェスティバルさえなければ未だに誰に知られるわけでもなく誰からも顧みられず、その他大勢の町としてアメリカの地図に小さな痕跡を残すだけだったはず。そんな町の、小さな出来事。その小さな出来事が一瞬にして世界レベルの大きさへと爆発、変化する。ちょっと心躍る話でしょう?

小さな変化の集積が一気に爆発するその様子を、この映画は丁寧に描写する。どれくらい丁寧かって、ドキュメンタリーの方の「ウッドストック」と見比べてみるといい。どちらがドキュメンタリーか分からないようなよく似たシーンがあって呆れるはずだ。当時はその場にいなかったはずのこの映画の監督が、まるでその場にいたかのようにそのシーンを作り上げる。それこそ映画のマジック。とにかくそのマジックに騙されて、世界が一気に変わるその瞬間を見つめてみたいと思う。

樋口泰人

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