「どうしても原版が。」ゴースト もういちど抱きしめたい ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしても原版が。
20年前の原版をリアルで観た世代には、懐かしいvの一言。
当時この「ゴーストになって愛する人を守りぬく」というのが
大流行(流行るのもどうかと思いますが)となり、恋人達の間で
「ねね、私が死んだらゴーストになって守ってくれる?」なんて
いうのが常套句になっていた。(これホントです!)
正直私も、P・スウェイジ演じたサムの大ファンになり(やはり)
自分自身をD・ムーアが演じたモリーに重ねて陶酔状態。。
冷静に考えれば、死なれたらいちばん困るのに!?なぜか
死後のことばかりを考えてしまう困った作品でもあった…^^;
ウーピーの熱演が(今回は樹木希林)助演女優賞をもたらした、
いわゆる秀作の部類に入る作品でもあるのだが、
とにかく主演の二人、肉体は出しても踊らないP・スウェイジと
髪をショートにしたD・ムーアの二度と観れない過去の愛らしさ!
に尽きる。つまり、いかにキャストが魅力的であったか、当時の
ベタで恥ずかしくなるような恋愛が、今も色褪せていないことに
安堵を覚えてしまう作品である。
今作を観て「え~」と思う方は、是非原版を観るべし!
さて…。
なぜ今さらリメイクなのか。なぜ舞台が日本なのか。
なぜ日本人と韓国人の恋愛か。なぜ男女を逆転させたのか。
分からないことだらけの作品であるが、内容はまったく同じ。
ただそれを綺麗になぞっているとしか思えない作りではあるが、
違うのは、二人の想いがなかなかこちら側に伝わってこない。
好きで、好きで、たまらない相手が亡くなってしまうのである。
原版では元から恋人同士という設定なので、過去の想い出や
懐かしいグッズ他が想いを呼び起こすアイテムとなるのだが、
今回は、出逢ってまだそれほど間もないカップルということで、
どんなに二人が頑張っても(菜々子とスンホン)浅さが目立つ。
ついでにいうと、どう見ても二人の歳の差(実際には3歳ほど)
や演技への温度差?を感じてしまい、号泣するには及ばない。
サブタイトルにある「もういちど抱きしめたい」という熱い想いも、
原版でもう一度触れ合いたいと切望する二人の熱い想いには、
残念ながら届いていない。(もっとドキドキするv)
土をこねまわす(ろくろを回す)シーンでも、あんなエロティックな
表現ができるのかと、当時はこっちでも話題になったものだ^^;
(だからといって、カップル陶芸が流行ったかは知らないけど)
なんでも比べてしまうのはどうしようもない悪いクセだが、
物語そのものはほぼ変わりがないので、サスペンスと恋愛と
(なぜか)笑いがミックスされた、不思議ながらいい話である。
素敵な想い出があるからこそ、人間はまた前へ歩いていける。
P・スウェイジが生きていたら…(57歳の死。本当に悔やまれる)
この作品に、メッセージでもくれただろうか。
彼の優しい瞳が、スンホンの眼差しと少しだけ?被る…。
(悪役も忘れちゃなりません。飲み物を溢すところまで一緒^^;)