「個人的にはこれが去年の一番」マイレージ、マイライフ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的にはこれが去年の一番
2009年アメリカ映画。109分。2010年47本目の作品。好漢ジョージ・クルーニーのハリウッド版「結婚できない男」。
内容は;
1,リストラ宣告人を生業とする主人公は、不況まっただ中の昨今、全米を飛行機で飛び回っては会社にかわって従業員にクビを宣告している。
2,彼の夢はマイレージをためて、プラチナ会員になること。
3,そんな彼に気の優しい女性部下がつくことに・・・。
一言で言うと地味な作品。たいした派手さはなく、たんたんと物語は進んでいきます。それでも観ているうちにわたくしのハートはわしづかみにされ、寂しい男の話にも関わらず、本作が終わった時には充足感で満たされていました。
これは結婚よりも1人きままに生きたいと願う人に向けられた、笑えてハートウォーミングだがけっこうシビアな作品。
気ままに生き、旅先で出会った異性とセックスし、あとくされなく別れて仕事する。とても理想的な生活。だが、その裏で満たされない孤独感。と同時に「人生なんて深刻に考えなくても成るようになっていくさ」的な脱力したメッセージがあるような気もしました。
これらの孤独感と脱力感がブレンドされた詩情が、空の映像に集約されている気がしたから、作品全体に静かな生命が宿っていたのだと思います。
あまり多言をつけたしたくない作品です。
とても心に残る作品でした。
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