「地に足のついてない僕だから」マイレージ、マイライフ harizoさんの映画レビュー(感想・評価)
地に足のついてない僕だから
マイルをためるのが趣味で、リストラ請負人の仕事にも
誇りを持ってる独身男が一皮むけるお話(笑)
実は私もちょうど一年前リストラにあった。
(ジョージ・クルーニー)のような甘い笑顔で
「人生を再スタートするチャンスだよ♪」
なんて言ってくれる人は私にはいなかったわけで
何かといろいろ世知辛い思い出も蘇りつつ。
プロの宣告人として説得力のあるアドバイスの
ひとつでもあるかと思いきやそこは期待ハズレ(笑)
ま、こればっかりは個人の問題なわけで
自分自身で頭を切り替えるしかないからね。
面白かったのは、この「結婚できない男」に
絡んでくる女性二人の会話。
20代と30代では変わる恋愛&結婚観しかり。
主人公が満足していたはずの自由な身軽な人生を
後輩の小娘から「地に足がついていない生き方だ!」と
説教されたり、自分と似た感覚で意気投合したはず
の恋人に実は全然裏の顔があったりと、
何だかんだ女の方がちゃっかりしっかりしてるあたり。
簡素な自宅を振り返り、家族って何?
とようやく考えはじめた頃、夢にまで見た100万マイル達成!
、、、の瞬間もほろ苦くなっちゃって
ちょっとおじさん可哀想でした(笑)
結局、話として何か教訓があったかというとウ〜ン。
原題の“UP IN THE AIR”だし、エンディングの歌でも
「地に足のついてない僕だから〜」って唄ってたし、
まだまだ悩むお年頃?じゃないけど、一皮むけたところで
宙ぶらりんなエンディングに妙にのほほ〜んであり
ちょっぴり侘しさありでした(笑)
いつもながら、この家庭の匂いがあまりしないあたり
(ジョージ・クルーニー)にはぴったりなハマり役ですね。
「人生を再スタートするチャンスだよ♪」
と、現実的に言われても、映画の中のシーン同様、
「なんで私なの?」
という気持ち、再スタートしたくても、なかなか仕事に出合えず、家族や自分の心との精神的な辛さは。。。
この作品、時代にマッチしたからこそ、というのもありますよね。
もし、バブリーな時代だったら、興味を持つ人は、少なかったかも!?