劇場公開日 2010年3月20日

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「人生の荷物」マイレージ、マイライフ セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人生の荷物

2021年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1000万マイル達成時のライアンの複雑な表情が忘れられません。念願の目標を達成したのに心から喜べない悩ましげな表情。

ライアンは家庭や家を持たない身軽な人間。それはまるで自身の荷造りのルーティンのように無駄の無い効率的な生き方。しかし、アレックスやナタリーとの出会いや、妹の結婚式での出来事が、彼の考え方に変化をもたらします。

自分の人生の荷物は軽いに越したことは無い。彼はそんな考えの持ち主でしたが、人のぬくもりや心の支えとなってくれる人の存在の大きさに気付く事ができた。同時に自分の人生に寂しさも感じた。

自分の仕事に自信を持ち、仕事が生き甲斐でもあった。彼の場合、その指標がマイルであり、それが原動力となっていた。
目標があり、そこに向かって進む事は大事な事だし、目標の為に頑張る人はみんな輝いている。だから機内で1000万マイル達成の祝福を受けた時にライアンの充実感溢れる表情が見られなかったのは残念です。しかし、それは彼が様々な生き方の意味を理解し受け入れた証でもあるのだと感じました。

ラストで解雇宣告を受けた人達の映像が再度流れます。「妻に何と言えば、、、」「子供に合わせる顔が、、、」彼らにとって家族や家は重たい荷物であるが、同時に生きる活力にもなっている事が伝わってきます。
独身で身軽な生き方、家庭を持ち、そこに根を張る生き方、どれが正しいとかではなく、色んな生き方を理解した上で自分はどうしたいか。そんな事を考えさせられました。

セロファン