「見直してみたら良かった—大人のほろ苦い映画」マイレージ、マイライフ 雨はにわか雨さんの映画レビュー(感想・評価)
見直してみたら良かった—大人のほろ苦い映画
公開当時に映画館で見たときは期待はずれでした
クルーニー主演で、なんとなくちょっとお洒落な楽しい恋の話だろうと思ってみてたんでしょうね。若い女の子が映ってるから(アナ ケンドリック)二人がくっつくよかなって思ったそうじゃないし
実際にはアメリカ国内のいろんな会社に出向いて、顧客のために社員に馘を宣告することを生業にする男(クルーニー)の話
家庭も人生の束縛も一切なく、年間300日以上をエアラインのビジネス?ファースト?サービスを受けながら飛び回るライフスタイルをこよなく愛する男
しかし、会社は、わざわざ出向いて対面で馘を宣告しなくても、ビデオ会議システムでネット越しに行えば出張経費をゼロにできると合理化をしようとする
この合理化を提案推進するのはプリンストン?を首席で卒業した若い才女(ケンドリック)だが、首切りの現場も知らないくせにということで、クルーニーのと同行して実際の首切りを実地研修することになる
話としては
長年勤めていた会社にクビになることを、いきなり見ず知らずの人間に宣告される様子がいくつも描かれるのが一つ
そしてそのクルーニーの会社自体も合理化して対面じゃなくてネット越しの首切りに移行しようとする、というのが一つ
そしてもう一つは、そんな誰にも何にも束縛されない生活って寂しく乃の?人生のパートナーとか欲しくないの? っていうケンドリックとクルーニーのやりとり
そのあたりが話の柱で、それなりに興味深いです
———以下ネタバレ———
ケンドリックに価値観を否定され、少しずつ人との繋がりを探り始めるクルーニー
結婚する妹夫妻の要望の写真撮影も面倒ながら最後は協力した
新郎のバックれ危機でも、不器用ながらも、人生もcopilot は必要だろとのセリフを吐き出した
そして後腐れのないセックスフレンドの筈だった関係にも、もっと一緒に人生を共有できるのではと思い始める
だがそれは皮肉な結末を迎えるのだが...
なかなかほろ苦い結末
大きな話の展開はそこで終わり
ただ、クルーニーは、金がなくて新婚旅行を諦めた妹夫妻のために、自分のマイルをプレゼントする手配をする
そして会社を辞めたケンドリックのためには、新たな就職活動のために最高の推薦状を書いてあげる
そして会社は、ネット越しの首切りはやめだ、また君にはこれからずっと飛び回ってもらうよ、と言われて空港な立っている場面で映画は終わる
いままで思っていなかった自分の孤独さを知ってしまった、それでも人のために良いことをしようとするようになった、しかし自分自身の孤独な生活はずっと続いていく
星は3.7くらいかな