「タイムトラベルという要素が諸刃の刃」きみがぼくを見つけた日 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムトラベルという要素が諸刃の刃
今の時代、携帯があるから、まずすれ違いというのはありえない。デートの時間に遅れようが、間違った場所に出向こうが連絡が取り合える。この作品では、相手が突如、その場から消滅してしまうというシチュエーションで、逢うことがままならない男女の切なさをテーマにしている。だが、同じ脚本家でヒットした名作「ゴースト」と違って、永久の別れはない。ままならないものの、ずっと逢瀬を繰り返すことができるのだ。タイムトラベルという能力が、諸刃の剣となって、切なさとは別に、いいじゃん、逢えるんだからという想いも抱かせてしまう。ある意味、死が怖くない。
それが証拠に、この作品いちばんのシーンは、地下鉄で生前の母親と会話するところだ。二度と会えない人と一瞬でも心を通じ合う。その奇跡があったればこそ「ゴースト」は感情移入し涙するのだ。悪いが、今回はまったく泣けなかった。
エリック・バナの若いときとふけたときの差がほとんどないため、話のアクセントを活かしきれていない。
毎度、ポスターのことで申し訳ないが、ミラクルな要素がまったく伝わらない図案だ。
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