劇場公開日 2009年10月28日

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「僕がキューを出す」マイケル・ジャクソン THIS IS IT kerakutenさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0僕がキューを出す

2009年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

萌える

マイケルはコンサートの始まる前に亡くなってしまったので、
リハーサルシーンの断片と、各界の有名人のコメントをつないだ
いわゆる「追悼映画」なのだとばっかり思っていました。

ところが、それがぜんぜん違うの!!

ほぼ全編、マイケルは歌って踊って、スタッフたちに指示をあたえています。
世界一のパフォーマンスを実現するための
最高のレベルのメイキングをたっぷり観ることができるのです。

彼に特別な思いをもっていない私のような人間まで惹きつけるのは、
全ての面での圧倒的なレベルの高さです。
オーディションで厳選されたトップダンサーたち、
ミュージシャン、エアリアルパフォーマー
それにたくさんのスタッフたち。
その全てをとりしきるのがMJその人です。

「彼はアイディアにみちている」
「誰より音楽を熟知している」
彼のイメージしているものが一番優れている、
ということを誰もが認めているから、
激しい振付の中で彼の出す「キュー」を
見逃さぬよう、緊張感がはしります。

リハーサルなので、ダンサーたちは
タンクトップにスウェットといったラフな服装。
ジャケットにタイトなパンツ姿のMJは、
的確な指示を与えたと思ったら、
誰よりもクールで神がかったような
凄いダンスを披露してくれます。
歌声も美しい!

いったいこのカリスマ性は何なのでしょう。
きっと生でみたらもっと、なのでしょうが、
映像だけでも、ほとんど彼を知らない私にさえ、
直球で伝わってきます。

多分彼は、私たちより一万年くらい「進化」してるのかも。
あの細い体に常人の何倍のも筋力が秘められ、
音も言葉も映像も、全てのイメージが頭の中に
無限にわいてくるのでしょう。
フロッピーとDVDくらいの容量の差なんだろうな。

水も飲まず、汗も拭かず、息切れもせず・・・
もう、彼が生身の人間だということも不思議な感じがしてきます。

でも、彼が亡くなってしまった、という事実。
もう二度と彼のステージは観ることができないという事実。

メイキングの映像だけで、今まで無関心だった私までもを
こんなに興奮させ、
いやいや、映画館のすべての観客を魅了していました。

終演後には大きな拍手がわき、
明るくなって、それそれが一様に
彼が死んでしまったことを改めて悲しむ。
そんな映画でした。

合掌

kerakuten