「完璧にファン向け映画ではあるが楽しめた」マイケル・ジャクソン THIS IS IT といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
完璧にファン向け映画ではあるが楽しめた
今は亡き伝説のアーティスト、マイケル・ジャクソンを追うドキュメンタリー映画。
私自身はマイケル・ジャクソンについては正直あんまり詳しくありません。マイケルは80年代から90年代にかけて活躍したアーティストです。私自身は91年生まれですので、物心ついたころにはマイケルの全盛期は過ぎ去っており、テレビで彼の名を聞くのは性的虐待スキャンダルの時でした。「すごいアーティストなんだな」程度の認識です。
そんなマイケルに全く興味も知識もない人間が鑑賞した感想ですが、「すごいアーティストだということはしっかり伝わってきた」という感じですかね。正直、今までマイケルの色んなスキャンダルを観てきたのでイメージがあまり良くなかったんですが、本作を観てマイケルの才能と妥協を許さない職人気質が垣間見え、私の中ではかなりマイケルの好感度は爆上がりでした。しかしながら、この作品は「THIS IS IT」というライブへ向けたリハーサル映像と関係者へのインタビューを繋ぎ合わせた内容で、普通の映画のような盛り上がりどころなどはあまりなく、「ファン向け映画だな」という感想も持ちました。
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「キング・オブ・ポップ」と称され、20世紀のポップミュージックに多大な影響を残したアーティストであるマイケル・ジャクソン。彼が2009年7月から開催する予定だったライブ「THIS IS IT」のリハーサル映像と舞台裏の映像を収めたドキュメンタリー映画。
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マイケルが開催する予定だったライブ「THIS IS IT」は、約9か月間50公演にも及ぶ大規模なライブですが、チケットの発売からわずか4時間で完売したという伝説的なライブです。調べたところ、会場であるO2アリーナは収容人数2万人以上のかなり大きな会場ですから、50公演ということは100万枚以上のチケットが4時間で完売した計算になります。このことからも、マイケル・ジャクソンの人気の高さがうかがえます。
ライブを支えるスタッフたちもまた、マイケルのパフォーマンスに魅了されたファンの一人です。そのため、マイケルの完璧なパフォーマンスを支えるために全身全霊でリハーサルに臨みます。マイケルもまた、「観客に最高のパフォーマンスを届ける」という情熱を強く持っており、ライブの細部に至るまで一切の妥協を許しません。一分の隙も無いこだわり抜かれたステージこそ、彼が「キング・オブ・ポップ」という肩書を持っている所以なんでしょうね。
実際のライブで使われる予定だった映像なんかも登場しますので、マイケルのファンからしてみれば「幻のライブがスクリーンで蘇った」って感じなんでしょうね。マイケルを知らない世代である私が見ても感動するような多くの演出が見られて良かったです。
しかしながら先にも述べたように、マイケルを知らない私はイマイチ盛り上がれなかったです。観客にある程度マイケル・ジャクソンに関する知識がある前提の構成になっていましたので、あまり私に響かなかったシーンも少なからずありました。他の方のレビューほど、ノリきれなかったですね。
個人的にはそこまで評価は高くありませんが、「観て良かった」とは思います。マイケルが何故ここまで人気のある世界的アーティストになれたのか。その一端が垣間見える素晴らしい映画だったと思います。興味ある方はぜひ観てみてください。オススメです!!!