劇場公開日 2010年3月13日

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「意味深なラストシーン!」花のあと KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0意味深なラストシーン!

2020年11月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

キネマ旬報のベストテンでは、
僅かの一票も入っていない作品だったので
「たそがれ清兵衛」や「蝉しぐれ」のような
期待が無いまま、
藤沢周平と同じ庄内藩(海坂藩)出身者
として鑑賞。

この映画、山田洋次作品と違い、
庄内弁が聞けないのは寂しいが、
流石に原作のチカラか、
最後まで飽きずに観せてくれた。

原作が短編のせいか、他の藤沢作品に比べ、
ストーリーそのものに深みは無い。
しかし、意味深なラストシーンだ。

大飯食らいでガサツな許婚が、
自刃した恋心の相手とは異なる魅力
を持った男性と徐々に描かれ、
素晴らしい資質の男性として
彼女の目に映る桜の下のシーンで終わるが、
将来、孫に語る晩年の彼女の独白
との関係で微妙な描写だ。

晩年の彼女の語りでは、
許婿との結婚生活で7人の子供を設けた等、
幸福に満ちた彼女の人生を匂わす。
しかし、
二度と花見をすることは無かったと。

一見、新たな異性との出会いは必要が
無くなったという単なる青春との惜別
とも捉えられなくもないが、
勿論それだけではないのだろう。

自刃した彼への秘めた想いを封印する、
彼女の熱い想いとの惜別の方は
どれ程だったのだろうか。

原作は短編とのことなので、
そこまで読み切れるかは解らないが、
その答えが原作の中に認められるか、
あるいは映画製作者側の意図なのか、
原作本を読むのが楽しみになった。

KENZO一級建築士事務所
こころさんのコメント
2021年2月23日

KENZO一級建築士事務所さん
すみません。。
KENZO一級建築士事務所さんでしたね。

こころ
こころさんのコメント
2021年2月23日

KENZO一級建築事務所さん
コメントを頂き有難うございます。
私も共感を頂いた方の見方が分からずに数ヶ月過ごしていた一人ですので😅
(丁寧に教えて下さった○○○さんには、心から感謝しています。)
観ていない作品が大半で、観てみると見応えの有る作品も結構有り、旧作を録画して愉しませて頂いています。こちらこそ宜しくお願いします。

こころ