「MTVのミュージックビデオような感覚で観たら楽しい。」REDLINE aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)
MTVのミュージックビデオような感覚で観たら楽しい。
監督小池健、原作脚本石井克人、アニメ制作は「時をかける少女」「サマーウォーズ」のマッドハウスと期待を抱かせるが、アメコミ調の画で敬遠してしまう人も多いかも。
制作期間7年、背景までも手描きで細かく動かすなど(ただ遠近感がなくイラストが動いてるみたい)作画枚数10万枚!?の渾身の作品。
宇宙を舞台に、人間やエイリアンたちが繰り広げる最高のカーレース〈REDLINE〉。
勝つためには何でもありで過激な武器を隠しもっていたり、シンジケートが絡んだ八百長もありと、宇宙版の「マッハGOGOGO」みたいな感じ。
舞台となる惑星が軍事政権の領域内の荒涼としたところで、「スターウォーズエピソード1」のイメージとも重なる。
カーレースといっても、ほとんどロケットのようなエアカーが走る中、ウルトラ純情な主人公JPが乗るのは、遥か古代?のクラシックカーのアメ車トランザムを幼なじみのメカニック・フリスビーが改造したもの。
サザエ頭のフリスビーが八百長にも関わる中、JPの初恋相手でもある男勝りのヒロイン・ソノシーも参加する〈REDLINE〉の幕が落とされる。
過激なレースバトルだけでなく、開催を許可しない軍事政権が全員を抹殺しようと仕掛けてくるなど、最後は「ナウシカ」の最終兵器のようなのまで出てきて…。
オープニングの〈REDLINE〉の予選のようなレース。アメコミ調の画なのだが、背景までもが描き込まれ、デフォルメされたその動きは、監督たちが敬愛する伝説のアニメーター故・金田伊功氏の80年代のロボットアニメを彷彿させる。
脚本の石井氏が音響監督も兼ねてるだけあって、過激なレースシーンに合わせ、大音響が劇場に響き渡る。
MTVのミュージックビデオような感覚で観たら楽しい。