孤高のメスのレビュー・感想・評価
全18件を表示
皆さん有難うございます
シングルマザーで看護師の中村浪子の葬儀で故郷に戻ってきた息子で医師の弘平、残された母の日記を読みはじめ、自分がまだ幼かったころの勤め先の市民病院での出来事を知ることになる、回想ベースの医療ドラマ。
原作者が京大卒で地方医療にも貢献する本物の医師だから、医療現場の描き方も「白い巨塔」や「Dr.コトー診療所」とも一線を画すリアリティ、ただ、手術中に都はるみは必要だったのか?・・・。
大学、地方を問わず同じ医師でも玉石混交、主人公の当麻と比べて、医師以前に人としてどうかと耳を疑う連中も出てきて、こんな医者いるかもなと不安になった。
数々の難手術の助手を務めた看護師の中村浪子が最も尊敬する真の外科医、当麻は、まだ脳死患者からの臓器移植が認められていなかった中で、行った市長の生体肝移植の責任を取って辞職、原作では台湾の病院に渡ったらしいが、本作では地方病院の医院長、弘平はそんな当麻の病院を訪ねていました、脈々と続く志ある医師の系譜、皆さん有難うございます。
現在の日本の法整備は?
この病院で手術して欲しくない。
当麻医師(堤真一)が赴任して来た。
緊急手術、偉そうにされたら嫌だけど、
医師には頭が下がる。外科医なんてなおさら。
当院の慣例には従わず、患者の命最優先。
医者が隠し事したらたまらない。
実際あるのか。
市長が倒れて救う方法を模索する。
生体肝移植したくとも
適応するドナーを見つけられない。
事故で脳損傷、脳死状態。
息子、仲野太賀だった。
日本の法律で認められていない
脳死肝移植をするしかなかった。
このような事例たくさんあると思うが。
同病院の敵対する医師たちに、
警察やメディアにリークされる。
手術が無事終わった。
心配していた刑事訴追はされなかった。
完全脳死状態であったこと。
双方の家族の承諾を得ていたこと。
ドナーの脳死状態の少年の母の切なる
嘆願書も功を奏した。
当麻医師は、病院を去る。
素晴らしいナースだった。と言い残して。
ナースの息子は医師となり、
母が勤めていた病院にやって来た。
刑事訴追を免れるケースもあるわけだ。
法整備を妨げている要因は何なのか。
ドナーになるべく軽はずみな判断や
脳死患者家族に圧力をかける恐れなどを
懸念するのか。
脳死患者の家族の心の痛みは、
経験しないとわからないだろう。
これ以上身体にメスを入れて欲しくないとか。
どこかで誰かの身体で生きて欲しいと願えるかどうか、それも難しい。
オペ室ナースの日記を読むことがナレーションになっているが、あまりそぐわなかった。
まあ面白くはある
...............................................................................................................................................
優秀だが正義感にあふれ、名声よりも患者の命を重んじる堤。
子供の頃に親を失った体験から、田舎の病院に勤務していた。
田舎に住んでいたために病院での治療が間に合わなかったのだった。
この堤が生体肝移植を行おうとする。
人望があるために他の医師や看護婦らは喜んで参加する。
ただこれを妬む曲がった医者がおり、マスコミに連絡。
手術前からマスコミがかけつけるが、何とか手術を実行。
結局正義感から行ったことで、不問となった。
逆にマスコミを呼んだ医師は悪さがバレた。
...............................................................................................................................................
勧善懲悪物だが、何が正しく何が間違いなのかは難しい。
こういう事件ってホンマにあったよなって嫁が言った。
最近はドラマでやってるような内容
1989年、大学病院に依存し、外科手術ひとつまともにできない、さざなみ市民病院。そこへピッツバーグ大学で高度な医療を身につけた医師・当麻鉄彦(堤)が赴任する。彼のひたむきなまでの正確な処置は周囲の反発を招くが、腐敗した病院を徐々に活気のあるものへと変えてゆく。それまでやる気のなかった浪子も仕事への情熱を取り戻していったのだ。そんなある日、市長の大川(柄本明)が末期の肝硬変で緊急入院する。当麻の考えでは、大川を救うには日本では認められていない脳死肝移植を決行するしかない・・・
(備忘録)
地方医療のリアルと夢を描いた作品
地方医療は都心の大学からの派遣医師で成り立っている。だが、派遣される医師の多くは望んでいない地方勤務を如何に淡々とこなすかもしくは、有意義に過ごすかを考えており、充実した医療は目指されていない。
今回の堤真一演じる医師のような人はごく稀であるので、夢のような話だが、いつの日がこうなることを期待したいと思える作品だった。
豪華とまではいかないが、キャストの顔ぶれも良く楽しめる作品。
全体的に暗い雰囲気なので、レンタルくらいがちょうどいいかも。
ありきたり
90年代の量産ドラマを見ているような
ありきたりな構成、過剰な演技は観ていて退屈だった。
例えば、「主人公の足を引っ張るだけの自己中心的な大学病院エリート医師」
みたいな典型的な悪役は、もうお腹いっぱいなんです。
医療問題についても、
制度上認められていない手術をすれば人が助かるが、手術をしていいのか。
という単純な二択の話になっていて、
結局、誰も困らないなら手術を認めるべき、
という安直な結論を出す他ない内容で、
建設的な議論ができるほどの材料や背景は描写されない。
とはいえ、手術シーンは飽きさせないし、
最後も勧善懲悪が決まって、いいところもあった。
繋がる
とても良かった。開始20分くらい当麻先生の手術で「この映画は間違いない」と思った。
臓器だけでなく人と人とも繋がって行く美しい映画だった。
病院物は手術シーンが苦手で目を背けたくなるのだけど、初めて手術って芸術というかナレーションでもあったけど、他人の臓器と繋がって一つになった時グッと来た。
あと30分長くても良いから当麻先生がどういう人生を送って来たのか見たかった。
だけど、プライベートがなかったから当麻先生の天才ぶりが際立ったのかもしれない。
堤真一始め俳優全員が心揺さぶる演技だった。
僕だったらラストは当麻先生がドアをノックして、振り返った成宮寛貴の顔のアップで終わるかなと思いました。
原作を大胆に改変している様で…。
原作は文庫本を3巻まで買っていたが、1巻目を読み終えて「さぁ2巻目…」って時に、どこに行ったのか解らず、結局1巻分しか読んでいない状態。
映画は、ピッツバーグの部分を省略。主人公である当麻の人間性や、地域の医療問題と、大学病院とのしがらみも大幅にカットした事で、上映開始約20分程度で早くも1巻分を終了するハイスピードで展開する。その為、1巻目のハイライトと言える宗教問題を含む手術場面は完全に削除となっている。
一番驚いたのは、映画全編を堤真一演じる天才外科医当麻を慕う、ナース役夏川結衣の日記による回想で展開している事。その事で、医療問題を提示している傍ら普遍的な恋物語になってもいる為に、観客側は彼女目線による肩入れをしてしまう。
その結果として、「先生は嘘つきです…」と言うセリフの場面では、ついつい胸に迫る感情が押し寄せてしまう。
映画としては、時折視線が入れ替わるのが若干違和感を感じはするのですが、この大胆な変換が巧く作用している様に見受けられました。主人公が都はるみの歌を熱愛している設定も面白かったですね。
脇役陣も余貴美子はいつもながらの演技で見せば充分。徳井優や安藤玉恵それに、出番こそ少ないが堀部圭亮等もしっかりと存在感を示す。
逆に悪役としての存在で、活き活きとして描かれる生瀬勝久だが、原作のキャラクター設定では1巻目だけを読んだだけですが、その悪役としてギラギラした存在感は、とても原作には及ばない様に感じた。もっと厭らしい存在感が在る人物像だったのだが…。何だか単なる小物と言った描かれ方だったのが実に残念でした。
医療問題を扱いながらも、1人の女性による恋愛感情を描き、娯楽性にも優れた秀作だと思います。
(2010年6月10日TOHOシネマズ西新井/スクリーン8)
おもしろいんだけど、孤高すぎておかしい。
すごくいい映画で、評価高いのはわかるんですが、当麻先生はちょっと孤高すぎるような気がする。
人間離れしている。
一人だけ高くて、清くて、迷いがない感じ。
もうちょっと迷ってほしかった。
この問題は「ハーバード白熱教室」のテーマになりそうな問題なのに、自分は正しいと信じて疑わないところがおかしいです。
素人考えですが、本人の確認とったのかよ?と言いたくなる。
家族がかってに決めるのもおかしいし、臓器提供を決意した経緯もわからない。
後で後悔しないのか?と一言聞いてほしかった。
それにお金のことにまったくふれていないのもおかしい。
この手術、もちろん健康保険はきかないだろうし、リスクも高く手間もかかるので、莫大な費用がかかるはずなのに、その辺にはまったくふれていない。
臓器を提供する家族である母親が、お金をもらっているのかどうか描かれてないけど、もしもお金をらっているのであれば、かなりおかしなことになる。
それに、市長を優先的に助けていいのかも疑問。
以前、よく募金を集めて海外で移植手術する人がいたけど、その人が助かるってことは、移植してもらえなかったお金のない現地の人が、一人死ぬってことだと思う。
それを考えると、目の前にいたからといって、市長だけを助けるのは疑問。
他の臓器もあること考えると、他にも助けられる人もいたと思うし、その人の方が助ける価値があったのでは?
それに、もし市長が、浦沢直樹さんの書いていた「MONSTER」みたいな人だったら、この手術は人助けどころか大量殺人に近いものになってしまうけど、その可能性は考えないのかな?
もしそうだったら、当麻先生は責任とって市長を殺しに行くのかな?
見ている時はあまり考えなかったけど、見終わったあと、いろいろ疑問が湧いてきた。
その辺をなるべく気づかれないようにして、エンターテイメントにするための孤高キャラなんだろうけど、孤高すぎて何か変。
逆に生瀬さんの演じている、野本先生のような人は現実に見たことがある。
専門用語ばかりの説明で、素人には病名もわからない。
患者は長期の入院の末、死亡。
棺に手を合わせにも来ない。
もしかしたら、この先生に殺されたのでは?と疑いたくなるような人。
当麻先生に現実感がない分、野本先生とのからみが見たかった。(ほんとんどからんでいるシーンはない。)
関係ないけど、現在では技術的にできないのかもしれないけど、脳が死んだのなら、脳の移植という選択肢はないのかな?
この場合は脳を移植されて生き返った人は、いったい誰なのか?という問題が残るけど・・・・。"
孤高のメスは崇高のメス
同じ監督の作品「八日目の蝉」から逆行してこの映画を観た。「ミッドナイト・イーグル」も良かったのだから、もっと早く観ておくべきだったと後悔している。「八日目の蝉」の時にも感じた法律の外の善と法律の内の悪。この映画でも、医師の当麻(堤真一)は法律を犯して、生体肝移植を行う。違法ではあるが、人として、また医者として、一人の人間の命を救おうと考えることは決して誤りではないと思う。何故なら実際に人を救えるのは、金や法律ではなく人なのだから。リスクのある事に対して、自分のために“やらない”ことよりも、他人のために“やる”ことを選択することは、気高い選択なのではないか、そしてまたその気高く崇高なメスを周りのスタッフが支える。そして同じ目標を目指す。いやいや良い映画でした。これからの日本映画、成島出監督と園子温監督からはきっと目が離せなくなるのではないだろうか。
美しい手術
臓器がやたらリアルでよかった
美しい手術を表現するにあたって美しくない手術をほんとに美しくなく、且つほんとにありそうで怖い感じで表現していて、確かに手術室の中で起こっていることなど我々にはわからんしなぁ、と考えてしまった
物語は主人公の独白(日記)で基本的には進むので淡々としていて、よくある、過剰な演出による感動の押し付けや無理な共感がなく、見た人それぞれがそれぞれに考える余地がありよかった
白い孤高。
試写会に応募したら、当たった。
ところが仕事で行かれなくなり(汗)両親に譲った。
感想を聞いた時、心底悔やんだ^^;あー観たいっ!!
そんなコン畜生な想いを込めて(涙)改めて観に行く。
うーん♪やはり期待どおり、応募して良かった作品。
タイトルからして地味な作品だがお薦め度は高い☆
チラシの堤真一から想像すると田宮二郎再び?的な
医療ドラマを想像してしまうが、今作はもっと軽やか。
まさか?と思ったが、笑いをとるシーンまである^^;
患者の命を救うため違法手術を行うという重い決断、
しかしそこには黒い思惑など微塵もなく、
画して人情に彩られた町医者のような温かさに溢れ、
昨今ドラマで描かれている地域医療の在り方を問う。
キャストが出揃っている。これも大きい。
堤をはじめ、夏川も吉沢も余も生瀬も柄本も平田も
みんな巧い^^;ちょうどあの頃の時代を彷彿とさせる
病院内の光景や人間同士の繋がりも懐かしさに溢れ、
古臭いイメージが正確な医療技術に圧倒された時
私達観客も夏川看護師と同じく口アングリとなる…^^;
そう、こんな医師がまだどこかに必ずいる筈なんだ。
手術シーンのリアルさがかなり話題になっており、
俳優がほぼ代替えなしで演じたのが凄いと思ったが、
うちの母親などそのシーンが見られなかったと云う。
確かに臓器を取り出すなど(私も得意な映像ではない)
生々しいシーンもあるが、それを上回るドラマの真軸、
なぜ危険を冒してまで執刀したのかに説得力がある。
患者も看護師も、皆がこんな医師に逢いたいと思うし、
執刀して欲しいと願うに違いないと思う。
こんな医療体制は夢のまた夢だ。なんて終わらせず、
息子役の成宮医師たちに継承されてほしいと願う。
白い巨悪(^^;)を前にして難しい問題には違いないが。
難しい説明箇所が殆どなく、押しつけがましくもない、
サラッとした演出に好感がもてる作品だが、
つい続編とか、ドラマ特別編とか、もっと観たいという
願望が沸々とわいてきて、期待感を高めるドラマだ。
(果たして余貴美子の決断ができるか?自信がない…)
Excellent Movie!
いや~判りやすいし、リアリティがあって非常に面白かったです!
医師が単に医師であること。
それが現代の医療従事者にとっていかに難しいか…などそれぞれの立場になって考えて見るととても面白かったです!
堤真一氏の融通が利かない(=熱い信念の持ち主)医師役は過剰な演出もなく淡々とこなしていて好感が持てます。彼はお堅い公務員役とか似合うのではないでしょうかね~。良い演技してました。
同僚医師役に生瀬勝久氏をぶつけてますが敢えて騒々しく見せて逆にストーリーの静寂さを強調させていたのが印象的です。
主人公の夏川結衣さんはタイプなので居るだけで充分なのですが今回も異色でした。いつものように熱く演じてました。
ハリウッド映画にも劣らない想像力をかき立てられる作品だと思います。
自分の信念を持つということ。
何が良かったかというと、温かくて、爽やかだったこと。
医師と言う職業は、直接命と繋がっているだけに、見応えもあり、わかりやすかった。
でも、普通のサラリーマンでも、OLさんでも、主婦でも、自分自身の心の持ちようで、随分と本人も仕事も、生き生きとしてくるのね。
当麻先生は、素晴らしい。
お茶目で、鈍感で、仕事一筋で、そして、自分の信念を持っているということ。
周りの人達に感謝の気持ちを忘れず、常に全力で立ち向かう。
手術室の看護婦の浪子にも、そんな当麻先生のおかげで、自分自身にも価値あるものや大切なことが見えてくる。
でも、ありきたりな恋愛関係にならないところが良い。
とても爽やかだ。
脳死段階での臓器移植。
まだ、法的に認められていない。
まこと君のお母さんが決断するまで。
当麻先生が決断する様子。
感銘を受けた。
手術シーンは、とてもリアルで、開腹された様子も映るけれど、苦手な方も頑張ってください。
堤真一さんが演じると、こんなに素敵な人どこかにいそうね!と思えるのが素晴らしい。
生瀬さんの悪役ぶりもなかなか良かった。
強面の隆大介さんの、刑事さん。信念を持つ男への、かすかな応援の気持ちを感じた。
堀部圭亮さん、次回監督作を楽しみにしています。
100人中、99人まで悪人でも、たった一人がこの当麻先生のような人だったら、前向きに生きていけるよねと思える、温かさと爽やかさのある作品でした。
あんこ椿は恋の花
信念を貫く医師、当麻に堤真一、当麻の手腕に引き込まれ、真の医療に目覚める看護師に夏川結衣、最愛の息子が脳死となったとき、息子の意思と臓器提供を望む教師に余貴美子と配役もシックリです。
対立する大学病院系の嫌な医師たちも、生瀬勝久、堀部圭亮とぴったり
非常に良い映画でした
福祉ボランティアをやっていて、福祉系の大学を選択し、合格した矢先に、事故にあってしまった少年は、非常に気の毒でした。
その脳死になってしまった少年のひとり親として、果たして、素直に、臓器提供を申し出ることが出来るのであろうか。その選択をした母親ってすごいですね。
その母親の真剣な願いがあったとしても、当時、まったく、法令的にも整備されていない臓器移植を引き受けるとは、当麻は男前じゃ!
できれば、日本のすべての医師の方がこんな人だったら良いと思います。
お医者さんよろしくお願いしますよ
最後、老齢になった当麻院長を出さないところがまた良いです。
当麻は、現役バリバリの姿のイメージで終わりたいですもんね。
余貴美子は、今年も助演女優賞ですかな
天命について考えさせられる
「脳死肝移植」
それは、法律ではまだ認められていない医療制度。
助けて欲しいと願う患者と限界に挑む医者。
その助けたいと思う信念が“絶望”を“希望”に
変えていく感動作。
医療問題を丁寧に慎重に描いてただけあって、
内臓の仕組みをありありと描写。
その手術シーンの多さに気合いを感じました。
個人的にはお腹が切られる度にこわばる思いで
力入ちゃって、ちょっと体力消耗。。。
出演者は(堤真一)(夏川結衣)(余貴美子)。
この3人のどっしり、がっつり、しっかりした
確かな演技がとてもスバラシかったです。
(余)さんが脳死の息子の臓器提供を決断する
下りなんかもう、、、うぅ。。。(涙)
さすがアカデミー女優!胸がつまります。
“目の前の患者を助けたいだけ”という思いに
揺るぎがない当麻先生(堤真一)。
彼の真摯な態度に周囲の空気さえ変えてしまう
魅力的なお方。世のお医者さんが皆ああならいいのに。。。
対照的に楽して出世したい嫌な外科医長(生瀬勝久)。
処置に自信がなくて助かる可能性のあった患者を見殺しに
するような嘘つきドクター。
きっとこのような人も現実いなくもないと思うと
患者側としては先生選べないわけだし、
運しだいでは怖いなぁと思う。
※関係ないけど前日見た「トリック」でふざけた
矢部警部見てたせいでギャップがぁ。。。
(どっちもベストは尽くさないタイプだったなぁw)
ウマイねこの人も。
医療問題としては医者も患者も考え方や倫理的にも
いろいろ賛否はあるだろうと思います。
与えられた命の結末をどう納得していくかも人それぞれ
結局は生きている人のエゴだったりするのも否めないです。
この作品では、そんな複雑な思いをどう締めくくるのかと
不安に思ったけど、提供者も収受者も満足&感謝する形で
優しい気持ちで終われたトコが良かったです。
硬派な骨太作品。重いテーマですが見て損はないです。
その医師は決して諦めない
評判どおりの素晴らしい映画で、久しく無かった鑑賞後に感動の余り椅子から立ち上がれないという状況に陥りました。
今のところ私的に今年度邦画№1です!
映画の関係者でもなんでもないのに「おくりびと」に続き、アカデミー賞も狙えるのではないかと、決して大袈裟じゃなく結構本気で思ったりしています(笑)
田舎の病院にある医師が赴任して来る。
その医師は、大好きな都はるみを聴きながら、まるで魔法のような美しいオペをこなしていく。
助かる可能性がほんのわずかでもあるのなら、そこに救える命があるなら、その信念を貫く医師の存在は、周囲の医療スタッフの意識も変えていく。
地域医療に力を入れようと市議会に訴えている市長が倒れ、時を同じくしてボランティア活動をしている心優しい青年が不慮の事故に遭い脳死状態に。
まるで運命に導かれるように、医師が海外で学んできた生体肝移植に挑む事になる。
当時まだ脳死に対する法律が定まっていなかった事もあり、マスコミはもちろん、刑事までもが殺人罪に問われても文句は言えないと医師に詰め寄る。
それでもこの医師は決して諦めず、助けを待つ家族、助けようとする家族の切実な想いを汲み取り、オペに向かうのだった。
オペのシーンがとにかくリアルで、まるで本当の手術に立ち会っているかのような感覚に陥りました。
堤さんが信念を貫く決して諦めない医師を好演。
堤さんの決して揺るがない確固たる意志を持った眼差しに何度も惹き込まれました。
医師と出会い、自信と誇りを取り戻していく看護師役の夏川さんも素晴らしかったです。
脳死状態の息子の肝臓を提供する事を決意する母親役の余さんの演技に涙が止まりませんでした。
どの役者さんも適材適所でとても素晴らしかったです。
最初のオペのシーンの都はるみで笑い、クライマックスのオペシーンでは同じく都はるみに泣き笑いでした。
心からお薦め出来る映画です。是非ご覧になって下さい。
信念の外科医とそれに感化されナースとして目覚める看護師の物語
「目の前の患者を救いたい」という外科医の信念が次第に周囲を変えていく。
信念ゆえの孤立はやがて信頼へと変わっていく。
そして新しい命は受け継がれる。引き継がれる。
いい映画でしたね。
感動にむせび泣くというよりは考えさせる映画でしょうか。
命の大切さを考える映画ですかね。
そして、医師という職業の在り方、病院の社会的使命とは何か。
救急患者の病院たらい回しには、おもわず憤り理不尽さを感じましたね。
手術室に送り出すのは、本来は病気を治すため。
それが、他人を生かすために脳死状態の息子を母親が手術室に送り出す。
「よろしくお願いいたします」と。
このシーンには、思わず涙がこぼれ出てしまいました。
手術が終わり、息子が死んで「ありがとうございます」。言えないですよね。
子供を持つ身としては泣けましたね。ボロボロと。
手術室の場面は臨場感あふれ、緊迫感が伝わってきました。
それと、手術室には演歌があう、これにはなぜか納得してしまいました。
堤さんは信念を持つ“孤高の医師”をうまく演じていました。
夏川さんも看護師役と母親役を魅力的に好演。
全18件を表示