孤高のメスのレビュー・感想・評価
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まあ面白くはある
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優秀だが正義感にあふれ、名声よりも患者の命を重んじる堤。
子供の頃に親を失った体験から、田舎の病院に勤務していた。
田舎に住んでいたために病院での治療が間に合わなかったのだった。
この堤が生体肝移植を行おうとする。
人望があるために他の医師や看護婦らは喜んで参加する。
ただこれを妬む曲がった医者がおり、マスコミに連絡。
手術前からマスコミがかけつけるが、何とか手術を実行。
結局正義感から行ったことで、不問となった。
逆にマスコミを呼んだ医師は悪さがバレた。
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勧善懲悪物だが、何が正しく何が間違いなのかは難しい。
こういう事件ってホンマにあったよなって嫁が言った。
金も名誉も関係なく、ただ目の前の患者を救うことだけを考える医師。 ...
金も名誉も関係なく、ただ目の前の患者を救うことだけを考える医師。
手術中に演歌を流し、都はるみが大好き。
都はるみの曲を流すことを反対され、むくれてしまうという人間っぽいところがあるのもおもしろい。
日本の法律では認められていない脳死肝移植に挑むのがこの医師らしいところか。
刑事訴追されるかもしれないし、患者を死なせてしまったら殺人の罪を問われるかもしれない。
そんな難局も淡々と乗り越える。
間違いなく良作だ。
30分で映画が終わってしまっている
ふてくされたような、感じの悪い主人公・・・ある日、赴任してきたヒーローの行動によって目から鱗が落ちる・・・という部分で映画が終わってしまっている。 後は単なるエピソードの羅列。 クライマックスに登って行くクライシスも 内面的葛藤もなく、 ただ主人公たちの周辺のエピソードの積み重ねで語られているだけ。 映画脚本として大失敗している。 退屈で見ていられなかった
最近はドラマでやってるような内容
1989年、大学病院に依存し、外科手術ひとつまともにできない、さざなみ市民病院。そこへピッツバーグ大学で高度な医療を身につけた医師・当麻鉄彦(堤)が赴任する。彼のひたむきなまでの正確な処置は周囲の反発を招くが、腐敗した病院を徐々に活気のあるものへと変えてゆく。それまでやる気のなかった浪子も仕事への情熱を取り戻していったのだ。そんなある日、市長の大川(柄本明)が末期の肝硬変で緊急入院する。当麻の考えでは、大川を救うには日本では認められていない脳死肝移植を決行するしかない・・・
(備忘録)
WOWOWと全く違う
タッキー主演のWOWOWでの同作の出来が良かったので映画の方も見てみたが、脚色のあまりにも違いに驚いた。話の骨子は脳死肝移植なのだが、映画の方は夏川結衣演じる看護師の目を通して物語は進行し、堤真一演じる当麻医師は都はるみ好きの変人医師のような扱いだ、何かで問題を起こして干されている成宮寛貴も出ていた。話としては良くある話でわざわざ原作を読もうという気は起こされなかった。
地方医療のリアルと夢を描いた作品
地方医療は都心の大学からの派遣医師で成り立っている。だが、派遣される医師の多くは望んでいない地方勤務を如何に淡々とこなすかもしくは、有意義に過ごすかを考えており、充実した医療は目指されていない。
今回の堤真一演じる医師のような人はごく稀であるので、夢のような話だが、いつの日がこうなることを期待したいと思える作品だった。
豪華とまではいかないが、キャストの顔ぶれも良く楽しめる作品。
全体的に暗い雰囲気なので、レンタルくらいがちょうどいいかも。
ありきたり
90年代の量産ドラマを見ているような
ありきたりな構成、過剰な演技は観ていて退屈だった。
例えば、「主人公の足を引っ張るだけの自己中心的な大学病院エリート医師」
みたいな典型的な悪役は、もうお腹いっぱいなんです。
医療問題についても、
制度上認められていない手術をすれば人が助かるが、手術をしていいのか。
という単純な二択の話になっていて、
結局、誰も困らないなら手術を認めるべき、
という安直な結論を出す他ない内容で、
建設的な議論ができるほどの材料や背景は描写されない。
とはいえ、手術シーンは飽きさせないし、
最後も勧善懲悪が決まって、いいところもあった。
繋がる
とても良かった。開始20分くらい当麻先生の手術で「この映画は間違いない」と思った。
臓器だけでなく人と人とも繋がって行く美しい映画だった。
病院物は手術シーンが苦手で目を背けたくなるのだけど、初めて手術って芸術というかナレーションでもあったけど、他人の臓器と繋がって一つになった時グッと来た。
あと30分長くても良いから当麻先生がどういう人生を送って来たのか見たかった。
だけど、プライベートがなかったから当麻先生の天才ぶりが際立ったのかもしれない。
堤真一始め俳優全員が心揺さぶる演技だった。
僕だったらラストは当麻先生がドアをノックして、振り返った成宮寛貴の顔のアップで終わるかなと思いました。
王道の安定感。
医療ドラマの王道。
どこかで観たことある話。王道だから。
でも、いい。役者がいい。
堤真一の安定感。安心して観られる。
この監督はいい。空気感がいい。
重いけれど誠実で、少しもわざとらしさがない。派手さはないけれど、訴えるものがある。
原作を大胆に改変している様で…。
原作は文庫本を3巻まで買っていたが、1巻目を読み終えて「さぁ2巻目…」って時に、どこに行ったのか解らず、結局1巻分しか読んでいない状態。
映画は、ピッツバーグの部分を省略。主人公である当麻の人間性や、地域の医療問題と、大学病院とのしがらみも大幅にカットした事で、上映開始約20分程度で早くも1巻分を終了するハイスピードで展開する。その為、1巻目のハイライトと言える宗教問題を含む手術場面は完全に削除となっている。
一番驚いたのは、映画全編を堤真一演じる天才外科医当麻を慕う、ナース役夏川結衣の日記による回想で展開している事。その事で、医療問題を提示している傍ら普遍的な恋物語になってもいる為に、観客側は彼女目線による肩入れをしてしまう。
その結果として、「先生は嘘つきです…」と言うセリフの場面では、ついつい胸に迫る感情が押し寄せてしまう。
映画としては、時折視線が入れ替わるのが若干違和感を感じはするのですが、この大胆な変換が巧く作用している様に見受けられました。主人公が都はるみの歌を熱愛している設定も面白かったですね。
脇役陣も余貴美子はいつもながらの演技で見せば充分。徳井優や安藤玉恵それに、出番こそ少ないが堀部圭亮等もしっかりと存在感を示す。
逆に悪役としての存在で、活き活きとして描かれる生瀬勝久だが、原作のキャラクター設定では1巻目だけを読んだだけですが、その悪役としてギラギラした存在感は、とても原作には及ばない様に感じた。もっと厭らしい存在感が在る人物像だったのだが…。何だか単なる小物と言った描かれ方だったのが実に残念でした。
医療問題を扱いながらも、1人の女性による恋愛感情を描き、娯楽性にも優れた秀作だと思います。
(2010年6月10日TOHOシネマズ西新井/スクリーン8)
『孤高のメス』
夏川結衣。言わずもがな芯の強い母親役をやらせたらちょっと右に出るヤツはいない。
安藤玉恵の対比もナイスでした。
でんでん、徳井優、平田満、生瀬勝久、松重豊、堀部圭亮、もっと見たかった。
手術後の余貴美子の演技がこの映画を最後にキュッさせる。
手術シーンがこれほどリアルとは思わなかった。凄かった。
おもしろいんだけど、孤高すぎておかしい。
すごくいい映画で、評価高いのはわかるんですが、当麻先生はちょっと孤高すぎるような気がする。
人間離れしている。
一人だけ高くて、清くて、迷いがない感じ。
もうちょっと迷ってほしかった。
この問題は「ハーバード白熱教室」のテーマになりそうな問題なのに、自分は正しいと信じて疑わないところがおかしいです。
素人考えですが、本人の確認とったのかよ?と言いたくなる。
家族がかってに決めるのもおかしいし、臓器提供を決意した経緯もわからない。
後で後悔しないのか?と一言聞いてほしかった。
それにお金のことにまったくふれていないのもおかしい。
この手術、もちろん健康保険はきかないだろうし、リスクも高く手間もかかるので、莫大な費用がかかるはずなのに、その辺にはまったくふれていない。
臓器を提供する家族である母親が、お金をもらっているのかどうか描かれてないけど、もしもお金をらっているのであれば、かなりおかしなことになる。
それに、市長を優先的に助けていいのかも疑問。
以前、よく募金を集めて海外で移植手術する人がいたけど、その人が助かるってことは、移植してもらえなかったお金のない現地の人が、一人死ぬってことだと思う。
それを考えると、目の前にいたからといって、市長だけを助けるのは疑問。
他の臓器もあること考えると、他にも助けられる人もいたと思うし、その人の方が助ける価値があったのでは?
それに、もし市長が、浦沢直樹さんの書いていた「MONSTER」みたいな人だったら、この手術は人助けどころか大量殺人に近いものになってしまうけど、その可能性は考えないのかな?
もしそうだったら、当麻先生は責任とって市長を殺しに行くのかな?
見ている時はあまり考えなかったけど、見終わったあと、いろいろ疑問が湧いてきた。
その辺をなるべく気づかれないようにして、エンターテイメントにするための孤高キャラなんだろうけど、孤高すぎて何か変。
逆に生瀬さんの演じている、野本先生のような人は現実に見たことがある。
専門用語ばかりの説明で、素人には病名もわからない。
患者は長期の入院の末、死亡。
棺に手を合わせにも来ない。
もしかしたら、この先生に殺されたのでは?と疑いたくなるような人。
当麻先生に現実感がない分、野本先生とのからみが見たかった。(ほんとんどからんでいるシーンはない。)
関係ないけど、現在では技術的にできないのかもしれないけど、脳が死んだのなら、脳の移植という選択肢はないのかな?
この場合は脳を移植されて生き返った人は、いったい誰なのか?という問題が残るけど・・・・。"
人間ドラマと医療現場の問題提起をうまくまとめた
総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 65
医療現場の実態にあるたくさんの問題。医師を確保するための系列構造、病院内での権力争い、患者をたらいまわしにする制度、倫理観に欠ける医師は部下にも患者にも態度が傲慢なだけでなく自分の不正を隠し、その中で臓器移植という大きな主題まで扱う。そのようなたくさんのことが詰め込まれているのだが、物語の流れの中で滞ることなく自然にそれらを練りこんでいたと思う。一つ一つのことにあまり唐突な感じがしないまま一連の事柄として次々に登場させられていた。
看護婦を通して見た医師の人柄の描き方によって、医師が生き生きと魅力的な存在になった。それと同時にその看護婦もまた、ただ仕事だからしていたものが生甲斐を持って仕事をするようになり、存在感が出てきた。また手術の場面をはっきり映して臓器や患部に手を下していくのは、ただの「医療行為をしている」から、「技術を持った医師が患者のために汗を流している」という雰囲気が直接伝わり良かった。取り出されたぼろぼろの臓器が健康なものに取り替えられ、それに血液が流れ機能していくのは、生命というものを感じさせる。
ただ登場人物は「白い巨塔」同様にあまりにいい人と悪い人がはっきり分かれすぎていると感じる。また法律施行以前の臓器移植にたいしてもっと悩んだり問題に直面する部分を描いて欲しいとは思った。下手すると医師免許を取り上げられて刑務所暮らしになるかもしれず、自分だけでなく周囲の人も巻き込んで多大な迷惑をかけ、さらに手術に失敗すればもっとひどいことが待っているだろう。そのあたりの事情は多少は描かれているものの、ちょっとあっさりしていたように思う。
医療に関して考えされられる作品
堤真一をはじめとしたキャストの演技も素晴らしいが、
作品自体が、現代の医療に関する問題点を考えさせられる名作だと思う。
医師であるかにかかわらず、どんな仕事であっても、
常に自分の信念をしっかり持つ事が大事であると感じた作品だった。
またこのような作品に出会いたいものだ。
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