「期待が大きかったのでまあまあかな…」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 ティピカさんの映画レビュー(感想・評価)
期待が大きかったのでまあまあかな…
原作全巻をボックス付きで所蔵するハリーポッターシリーズ。
映画も全作品を息子と劇場で見て来ました。第一作時小学校低学年だった息子も高校生。「ああ、これでシリーズが終わってしまう」という感慨を持ちながら鑑賞しました。
映画シリーズ全体への感想でもありますが、「原作に忠実に」というのと「原作の要素を網羅して」というのは違うと思うんですよねー。
盛り込む要素が多過ぎて肝心な部分が掘り下げ不足の印象大の最終作でした。
特に物足りなかったのはスネイプの記憶の部分と、最後の戦いの演出です。
スネイプが二重スパイとなって秘密を持つのはハリーの両親の死以降。それまでの一度はデスイーターになってしまうスネイプの心の動き、ハリーへの複雑な感情、ダンブルドアを葬る密約によってドラコをも守ったことなどが原作を読まないと伝わらないと感じました。10年以上ファンにも秘密であった、スネイプの秘密はハリーポッターシリーズの大きなキーポイントと思うんです。ちょっと物足りなかったです。
あと原作ではもっとショーアップされて劇的かつ痛快であった最後の決戦が、なぜか舞台を飛び降りて誰も見ていない校外で地味に終わるのもつまらなかった。
悪者とはいえヴォルデモートを滅ぼす(殺す)場面を皆が快哉を叫びながらみるような原作の設定が「教育上よろしくない」というような配慮があったのだとしたら実につまらないと思います。映画製作者にはもしかしたらヴォルデモートへの感情移入があったのかな?怯えるヴォルデモートの表情などに少し感じました。
そういう物足りなさはあったのですが、主人公3人の成長とネビル役の味のあるキャラクターへの成長が映画全体の印象を良くしてくれました。