「お疲れさま よくまとまりました」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 こばこぶせんさんの映画レビュー(感想・評価)
お疲れさま よくまとまりました
シリーズ最終作としては、よくまとめた!って感じ。
予定調和的に終わり、たくさんの犠牲者の上に築いた、脳天気な幸せ家族を描いた間はあるが、まぁ気持ちよく終われた。
原作を途中から(6作目くらい)読まなくなったので、話のディテールはよく分からないのだけど、話の表面を少しなぞっただけになっているところがあるように思う(話は大きいのだけど、深みが足りない)。だから、ご都合主義というか、何というか、脈絡なくいろいろな人物や物が出てくるのである。ひょっとしたら、自分が伏線となるものや、それまでの作品の内容を忘れていることも多分にあるが…。尺の問題もあって仕方がないところもあるけど。
今回の場合、いつのまにかハグリッドが囚われて、効果の薄い人質になっていたり、ドラコの母がよく分からないけどハリーの命を救ったり…。
話を広げたものの、回収しきれなくて放っておくこともあった(命の石とかいうものは捨てたまま…。ハリーの蘇りとは関係ないよね)。
ご都合主義ってのとは違うけど、単純で分かりやすく大団円を描くのにはよいけど、19年後って…。しかも、主要メンバーが、そのまま結婚していて、子どもも同じ時期にホグワーツへ入学とは。
魔法使いだから仕方ないけど、魔法使いすぎ。しかも、杖と呪文でほとんどが決着する。杖の先から、光ものがびゃーって出て、力比べしておしまい?呪文も、最終作に近づくにつれ「アバダ・ケダブラ(息絶えよ)」多発!「服従せよ」とか「麻痺せよ」とか、最初から組み合わせて使えばいいのに…(ウルトラマンで言うところの、スペシウム光線ですな)。
呪文も含めて言っているのか、ダンブルドアが言葉の大切さ、強さを言っていたな(日本にも昔から言霊という考えがあるけど)。
要は、ヴォルデモードはとても強い!という話だったな。
ハリーも分霊箱の一つだったり、ハリーの力とか運命とかの大部分はヴォルデモードの威力が乗り移ったおかげだったとは…。
つまり、ヴォルデモードはとても強い!
ところで、何故ヴォルデモードがあそこまで生きることに執着したのか、悪の道に行ったのかって、説明あったっけ…?(話が長すぎで頭に入っていない)
シリーズ全体の話だけど、イギリス人じゃないと、完全理解できないな。
全寮制の学校に行く習慣とか、お金を扱うのはゴブリンという感覚とか、ゴブリンは屋敷しもべを助けることありえない(だから、ハリーは偉い! 日本人なら普通の感覚だけど。ついでに、敵のドラコを助けるのも)とか、イギリスの伝統に則った考え方なんだろうな(差別的な考え含む。それがいいとか悪いとかではなく)。
3Dで見た。400円も余分に払った。2Dで十分だと思った。3Dの迫力は、(慣れてしまうからかもしれないけど)あまり感じない。
3Dっぽさを一番感じたのは、私の場合、ヴォルデモードの身体がバラバラになったその破片が空中をただよう場面だが、漂わせ方とかあざとさを感じてしまった。でも、奥行き感は、あったかな。
迫力を求めるのであれば、特別料金を払うのはもったいない。
くり返しになるが、2Dで十分。