「夜の校舎 窓ガラスごと壊してまわった〜♪ ハリー・ポッターと支配からの卒業!」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
夜の校舎 窓ガラスごと壊してまわった〜♪ ハリー・ポッターと支配からの卒業!
魔法ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズの第8作にして、最終章2部作の後編。
ハリー・ポッターとヴォルデモート、最後の戦いが今始まる…。
○キャスト
ハリー・ポッター…ダニエル・ラドクリフ。
ロン・ウィーズリー…ルパート・グリント。
ハーマイオニー・グレンジャー…エマ・ワトソン。
ベラトリックス・レストレンジ…ヘレナ・ボナム=カーター。
ヴォルデモート…レイフ・ファインズ。
セブルス・スネイプ…アラン・リックマン。
ミネルバ・マクゴナガル…マギー・スミス。
シビル・トレローニー…エマ・トンプソン。
シリウス・ブラック…ゲイリー・オールドマン。
ビル・ウィーズリー…ドーナル・グリーソン。
原作はJ・K・ローリング。
約10年に渡り紡がれてきた一大ファンタジー・シリーズもついに本作で完結!!
戦場はホグワーツ。かつての学舎を窓ガラスごと壊してまわる永遠の反抗期トム・リドルくんがスクリーン中を所狭しと暴れ回る。
冗長で見どころのなかった前編が嘘のように、とにかくドンパチが続くので退屈する暇がない!
ハリーとヴォルデモートの最終決戦にはハラハラさせられるが、最も心が動かされるのはやはりセブルス・スネイプの最期。
憎き敵だと思われていた彼の正体には、誰もが驚かされたはず。
スネイプの走馬灯的回想シーンが非常に幻想的かつ感動的に描かれており、原作既読ゆえ内容を知っていた自分でもついつい落涙してしまった😢
報われなかった恋心を抱いたまま、その女性の息子のために命をかける。スネイプはん、あんたホンマもんの漢や!!
…まぁ命を守っていたにしてはハリーに危険が及びすぎだろ、とか思うんだけども。そんなガバガバ警護もスネイプの魅力のうちである。
もう一点感動させられたのはネビルの成長。
第1作から気弱な性格を弄られ続けていた彼が、まさかグリフィンドールの剣を扱うまでに成長するとは…!
最も危険な囮役を引き受けたり、ヴォルデモートに啖呵を切ったり、最後の分霊箱を破壊したりと、MVP級の活躍を見せたネビル。しかも最後はルーナと良い感じになっちゃってるし。
実はこのシリーズはネビルの為にあったのではないか?そう思わせてしまうほど、魅力的なキャラクターへと成長したネビルに拍手👏
にしても、作中の活躍といい役者の魅力といい、どう考えてもジニーよりもルーナの方がヒロインには相応しいよなぁ。本当、なんでローリング女史はハリーの相手にジニーを選んだんだろう?コレガワカラナイ。
スネイプやネビルなど、非常に愛を持って扱われるキャラがいる一方で、恐ろしくぞんざいな扱いでその役目を終えたキャラも多い。
マルフォイやクラッブ&ゴイルなど、スリザリン組の扱いの悪さも気になるが(クラッブは役者の不祥事による降板騒動があったため致し方ないところがあるんだけど…)、特にひどいのはルーピン先生とフレッド。
ちょっと待ってくれよ!この2人いつのまに死んだんだよっ!?
前回、マッド-アイ・ムーディも物凄く雑に退場させられていたけど、ムーディとこの2人はキャラクターの重みが全然違うじゃん!
特にフレッドは1作目からの付き合いだし、『不死鳥の騎士団』では最高の花火を打ち上げてくれたしでとっても思い入れのあるキャラクターだった。
それをあんなスン…と退場させるなんてどうかしてるぜっ💢
今回、原作者のローリング女史が製作に携わっているはずなのに、これほどまでに愛のない描かれ方をしているのは一体なぜ?実はローリングさん、ルーピンとフレッドに思い入れがない?
キャラの扱いといえば、今回登場したダンブルドアの弟とかいう爺さん、アバーフォース。
この爺さんが裏でハリーを助けてくれてたんだって。ふーん。
…いやいや💦そんな都合の良いキャラクターをいきなり登場させるなよ、と。ご都合主義にもほどがあるぞ、と。もう少し助走をつけてから登場させてくれないと、全然気持ちが乗ってかないっすわ。
それとハリーの持ってるあの鏡。あれ何!?
前作から度々ハリーが覗いていたんだけど、あれが何かさっぱりわからなかった。今回説明があるのかと思っていたけど、特に何もなく、あの鏡に映っていたのがアバーフォースだと判明した。
…いやそれがどうしたのよ。唐突に新アイテムが出てくるのも意味不明だし、そのアイテムの結果も意味不明。
結局あの鏡がなんだったのかさっぱりわからない。そんなもんカットしろっつーの。
よくわからんといえば、「死の秘宝」というアイテムについてもよくわからん。
3つの死の秘宝が揃えばヴォルデモートを倒せる!…ということだったと思うのだけど、なんかその辺が結構有耶無耶になってしまっていたような…。
特に透明マントに関しては、最終決戦で一回も使っていなかったような気がするのだが、それは良いんですかね?
死の秘宝絡みでもう一つ言わせて貰えば、蘇りの石を登場させるタイミング間違えてないっすか?
死を覚悟したハリーがヴォルデモートの待ち構える森へと足を踏み入れるタイミングでこのアイテムがスクリーンに映し出されるわけだが、ここでこの石が登場してしまうと、「あっ、どうせこの石のおかげでハリーは生き返るんでしょ?」と観客は気づいてしまう。
それならこの石の存在をあえて隠しておいて、
🐍「ハリー!?殺されたんじゃ!?」
🤓「残念だったなぁ。トリックだよ。」石キラー✨
みたいな展開にした方がどう考えても良いと思う。
最終作ということで、今回で全ての風呂敷を畳み終えなくてはならない。
その大変さはよくわかる。…わかるのだが、なんだか色々と詰め込もうとし過ぎて一つ一つの描写が薄くなり、結果ぼんやりとした印象のまま終わってしまった。
最終決戦も『ロード・オブ・ザ・リング』の戦争描写と比べるとやっぱりショボいし、ヴォルデモートも話が進むにつれてどんどん小物に。
鑑賞後の記憶に残っているのは、スネイプの漢気とネビルの勇気、ハリーの胸毛とロンの身体のだらしなさ、そしてハーマイオニーの谷間💕だけだった。
長大な物語を終わらせるのってやっぱり難しいんだなぁ、ということを学ぶことが出来る一作であります。
何はともあれ、お疲れさまハリー・ロン・ハーマイオニー。卒業おめでとう!㊗️
※私的ハリポランキング
①秘密の部屋🐍
②炎のゴブレット🔥
③アズカバンの囚人🐺
④賢者の石💎
ーーー超えられない壁ーーー
⑤死の秘宝2🚂
⑥不死鳥の騎士団🎇
⑦謎のプリンス📖
ーーー超えられない壁ーーー
⑧死の秘宝1🏕
うーん。やっぱり右肩下がり。