「シリーズ全体を通して」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 閑さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ全体を通して
公開されだいぶ時間がたってるけどようやく8作全部通しでみたのでメモ代わりに。個人的にはハリポタというとおとぎ話のようなファンタジーの世界、ハーマイオニー・ロンをはじめとする仲のいい友達との楽しい世界という印象だったので3作目までは好き。4作目以降どんどんキャラが死に話が重苦しくなるわりには、深掘りが足りないというか駆け足なストーリー展開で話にのめり込めなかったのでイマイチな印象。いろんなレビューを見る限り原作から相当端折ってるのが原因のよう。以下個人的にもやもやする部分。
・ハリーの居場所
ハリーが抱えていた一番の問題は「自分の居場所」の問題だったと思う。自分の出自も知らずマグルの家で抑圧された暮らしから、ある日突然胸躍る魔法の世界へ・・・そこには信頼できる友達と家族と先生がいた、ここがホントの僕の居場所だったんだ!と3作目まではよかった。でも4作目から友達が、家族が、先生が次々に死んでいくし友達ともけんかする・・・そんななかで彼が最終的に見つけた「自分の居場所」とは何だったのか?甦りの石から現れた家族との会話、ドンブルドアとの死後の世界でのシーンはあったが、結局彼はそれらをどう解釈したのか?最後に大人になったシーンを見る限り魔法界に居場所を見出したみたいだけど・・・消化不良な感じであまり明確に示されなかったと感じた。
・大人になるということ
ハリーが小学生から高校生程度までの間を描いている以上、これも大きなテーマだったはず。3作目までの大きな事件はありつつなんだかんだ先生たちが見守ってくれるホグワーツでの冒険ごっこから、4作目以降は世界の命運をかけたドロドロとした対立、成長して子供のころのようにはいかない人間関係、大人たちも次々死に助けが得られない中独り立ちしなければいけない環境・・・、そんな中でハリー達にとって大人になるということは何だったのだろうか?もちろん肉体的には成長してるし、様々な体験もしている。甦りの石を捨て過去と区切りも付け、ニワトコの杖という強大な力への誘惑を捨て・・・そこで話が終わるので彼が何を思ってそうしたのか、大人になるということを何と結論付けたのか、ふわふわとしたままだ。世界一の悪をかつて子供だった人たちだけで倒した、だから成長だというのはちょっと短絡的じゃないか?もう一歩踏み込んで描写してほしかった気がする。
・魔法使いとマグルの関係
居場所の問題と絡むテーマではあるけど、最初ダーズリー家で阻害され、ヴォルデモートも純血主義であったことなどから、魔法使いとマグルの関係もひとつのテーマだったように思う。純血主義のヴォルデモートをマグルに育てられたハリー・マグル出身のハーマイオニー・マグルと仲がいいロンが倒すという構図は「魔法使いとマグルの共存」を肯定的にとらえるものだったはず。で、その後魔法使いとマグルの関係はどうなったのか?特にこれと言って描写がない。少なくともハリーとダーズリー家の和解くらいあってもよかったんじゃないか?
・周辺人物の物語
周辺人物で特に深掘りが足りなかったのはヴォルデモート、ダンブルドア、スネイプだろう。ヴォルデモートが悪の道に行ったのはなぜ?ダンブルドアの過去のいろいろは?スネイプが死喰い人になったのはなぜ?いろいろ伏線張った割に全然回収されてない気がする。スネイプは原作では掘られているらしいが、今更原作読むのもなあ・・・。ダンブルドアはファンタビでもしかしたら回収されるかもしれないのを期待しよう。
とまあいろいろもやもやが晴れない。原作読めば一部は晴れるんだろうけど・・・。このもやもやを解消してくれる続編なり考察サイトがあったら教えてください(笑)