「好きだという自信。」てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
好きだという自信。
この主人公を見ていると、
人間って、思いつきと行動力だけあれば(失礼^^;)
なんとか生きてゆけるもんなんだ、と思えてくる。
「馬っ鹿夫婦やさ~♪」なんて母親らに陰口を叩かれる
主人公夫婦だが、馬鹿だから信じられるものがある。
なまじ知恵がついて、そこそこ権力を握り、好きと
ビジネスが天秤に架けられたとき、どちらをとるか。
誰もが一文無しになろうなんて、まず思わないものだ。
○○バカとは、良くも悪くも天才につけられる称号。
小さな頃から海が大好きで、海の生き物が大好きで、
そして人魚伝説を信じている彼女が大好きだという、
この人マジ?^^;という天然ぶりが人間離れしている。
バカと天才は紙一重というが、バカがつくほど夢中に
なれるものがある人間には、誰も叶わない。
主人公のそんな純粋さあってこその決断だといえる。
しかし私は女の立場から、この主人公を見てしまった。
もしもコイツ(すいません^^;)の母だったら。妻だったら。
そりゃ拳骨のひとつ…いや、百叩きしても足りないかx
なぜやっと軌道に乗り始めた珊瑚バー?を閉めて、
本格的な養殖になんて手を染めなければならないのか。
そりゃ~沖縄に住んでいればキレイな海こそが信条だ。
誰もがそれを分かっていながら、産業開発に手を染める。
それは自分たち家族の生活を守るためでもあるのだ。
生きていくためにはなにかを諦めなければならない。
そう信じて頑張ってきた人間に突きつけられる珊瑚の死。
一方でそれを応援したい妻の気持ちも分かる。
義母に向かって覚悟は出来てますから。と胸を張る妻。
この夫にして、この妻。そう確信できる馬鹿夫婦なのだv
今しきりに叫ばれている環境保護、自然保護、とは
簡単にいえば、人間が破壊しすぎたものを元へ戻そうと
「運動」という名のもとでもがいているだけなのだと思う。
能書きだけは立派だが、具体策となれば足踏み状態。
小さなエコを一般人を頑張らせて上層部は何している?
珊瑚もその被害者なのだから、元に戻してあげるべく、
誰かが何らかの方法で、やり遂げるべきだというのに、
それを偉そうに(爆)上から文句言ってる暇があったら、
とっととこの主人公たちに協力しやがれ!と思ったけど。
夫婦を演じた岡村&松雪コンビはなかなかいい感じ…。
母親最高、友人の吉沢悠や漁連の國村隼もイイ。
悪人が出てこない満面ベタな仕上がりになっているが
珊瑚が卵を産むという瞬間には一気に盛り上がる…!
実話ならではの難しさもあろうが、気恥ずかしい台詞を
懸命に発する岡村の演技は、特に不可能なことはない!
を地で言っているような気がする。
(まだまだ小さな奇跡という主人公、もっとキレイな海へ♪)