劇場公開日 2009年11月27日

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「【前進する/年上の女性と年下の男性の恋③】」理想の彼氏 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【前進する/年上の女性と年下の男性の恋③】

2021年12月19日
iPhoneアプリから投稿

ステレオタイプを逆手に取った作品だ。

そもそも、恋愛や結婚は、年上の男性と年下の女性の組み合わせが普通なんてのも偏見だ。

若者は旅に出て、多くのことを経験してとか。

(以下ネタバレ)

物語には、こんなステレオタイプが散りばめられている。

クソ生意気な娘と息子。
夫の浮気。
離婚。
“ベンチャー起業家とマイノリティの多く住む”ニューヨークへの引っ越し。
教育程度の高い女性は、離婚はへっちゃらで、ジムで日々トレーニングに励む。

道場のトレーナーの話す内容は、殆どが偏見で、ステレオタイプと同じだ。

トイレの後、手を洗わない男ってのもきっとそうだ(僕は絶対洗う。でもね、映画館のトイレで手を洗わない男性は結構いるよ😁)

ハートの求めるものを求めよなんてセリフは、ゲイならではってのも偏見だ。
ノン・バイナリーじゃなくても、人はハートの求めるものを求めたいはずだ。

年上の女性と年下の男性が結ばれるのは普通じゃないってのも同様だ。

男性はマッチョで、リーダーシップが強くなくても良いような気がする。

僕たちの世界は、ステレオタイプの情報や、偏見で溢れているのだ。

ただ、一つだけ言わせて欲しい。

意図的にだけれども、レビューの冒頭で、若者は旅に出て…云々もちょっとした偏見のように書いたが、実は、作品でも触れられるように旅はとても大切だ。

僕は、バックパッカーをしたことがあるけれども、さまざまな国で、人々や文化に触れることは、物事を見たり考えたりする視座を柔軟に広くすると思う。

サンディの呟いた言葉を、旅に出て実践してみたアラム。

偏見のように思われた事にも実は金言はあるのだ。

急がば回れだってそうだと思う。

この作品は、ステレオタイプで窮屈な僕たちの世界で、少し視座を変えてみたら、異なる価値観を見出せて、少し楽に生きられたり、前向きになれたりするのではないかと示唆した作品だ。

是非、ゲラゲラ笑いながら、ちょっと切なくもなって、そして、微笑んで、楽しんで欲しい作品だと思う。

ワンコ