「個人的にはサマーのような女性は嫌いだ」(500)日のサマー ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的にはサマーのような女性は嫌いだ
時系列がめちゃくちゃで、頭が混乱してしまう。最初に恋の相談役の少女レイチェル(クロエ・モレッツ)が登場する点が個人的には非常に面白く、その後も時々出てきてこの映画のキーパーソンとなっていて、結局最後も彼女の言った通り「彼女しかいないと思うでしょうけど、私はそうは思わない。海に魚はいっぱいいるわ。」ということが現実となるが、最後にも登場させるべきだったと思う。
あと、男の友人2人も最後に出てこなかったので、その後どうなったか気がかりで、最後にも何らかの形で登場させるべきではなかったか。そのうちの一人は元の会社の同僚なので、退職しても友情は続いていたのかどうか気になるところ。
全体的には、サマーのキャラクターが好きになれないので、なぜ主人公があんなにもサマーを好きになるのかわからないので、イマイチ感情移入できなかった。最後のほうで、主人公が公園で座っているとサマーが現れる。結局、サマーを運命の人と思っていた主人公だったが、サマーにとっては主人公は運命の人ではなく、偶然本を読んでいたときに声をかけてきた人(結果的に結婚相手となる)が運命の人、その時間にその場所にいなかったら出会うことがなかった、つまり運命の人、あなたと違う気持ちを感じたと言われた時の主人公の悲しそうな表情(彼女から顔を背ける)・・・切なすぎる。別れ際、彼女が彼女の手を彼の手の上に乗せる。冒頭のシーンと同じ。冒頭でこれを見た時は、この二人は熱々の関係だなと思ったが、別れのシーンだったとは何とも皮肉である。
ただ、所々映画好きにはたまらないシーンがあった。サマーが「卒業」をみて涙を流すシーン・・・最後のバスの中、オリジナルは確かサウンド・オブ・サイレンスが流れたと思うが、この映画では、同じサイモンとガーファンクルではあるが、サウンド・オブ・サイレンスではなくブックエンドのテーマが流れた(この映画のなかではよく合っている)。
最後にお互いの名前を言うシーン・・・ダスティン・ホフマンの「ジョンとメリー」を思い出した。
主人公がサマーの結婚式に出席するシーン・・・画面が2分割になり、右が現実、左が期待となっている(何かの映画のオマージュと思うが、思い出せない)等・・・。