劇場公開日 2009年11月28日

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「原作ファンでないとツラい」ニュームーン トワイライト・サーガ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0原作ファンでないとツラい

2009年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

前作は、少女ベラにヴァンパイアたちが次々と襲いかかるという緊迫感があり、少女の恋人となるエドワードでさえベラの血に乾きを求める危ういバランスが堪らなかった。ベラを取り巻く味方と敵の区分けがはっきりしてしまった今作では、幼なじみのジェイコブの異変と、ベラとエドワードが織りなす現代版「ロミオとジュリエット」的な展開が目玉だ。なのに、のっけからベラの枕元に「ロミオとジュリエット」の本が置いてあるのには閉口した。自分からネタバレするような演出を疑う。本来であれば、ふたつの柱でぐいぐい引っ張り、公開が決まっている次作へと繋げる演出が必要なはずだが、構成が散漫でしかもかったるい。肝心の「ロミオとジュリエット」的な終盤に行き着く過程がボケてしまっている。途中で飽きてきた。
このクリス・ワイツという監督、頓挫した「ライラの冒険」もそうだったが、話の盛り上げ方が平坦で、シリーズものには向かない気がする。
VFXも前作に劣る。森の中のチェイス・シーンはそれなりに頑張っているが、舞台となる町フォークスの自然の美しさが出ていない。ヴァンパイアたちの顔も白塗りが目立つだけで、前作のドキッとするような透明感がない。なんでもないカットでさえ、どれだけの手を加えたのだろうと感心したものだが、今回は全篇を通してかなり手を抜いた感がある。ベラの目の下の隈だけが目立った(VFXではなくメイクだが)。
アシュレイ・グリーン演じるアリスの位置づけが高くなり、前作で彼女に注目した御仁は堪能できる。
次回、第3章はまた監督が替わったようだが(撮影済み)、再び原作ファンではない我々でも楽しめる作品にしてくれることを期待したい。

p.s. ラスト、エドワードが「5年待ってほしい」というと、ベラが「なぜ?」と問い返す。それに対するエドワードの答えが普通すぎて面白くない。「実は年上が好みなんだ」ぐらい言えないのかね?

マスター@だんだん