「この老婆には、優しく出来ない・・・」スペル(2009) ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
この老婆には、優しく出来ない・・・
サム・ライミのデビュー作「死霊のはらわた」は自分のなかでは、ホラー映画で5本の指に入る名作?傑作だと思ってます。(自分がホラー大好き人間になったのもこの作品がきっかけでした)
最近では、「スパイダーマン」シリーズの大成功で、そちらのほうが有名になっていますが、自分にとってはサム・ライミは「死霊のはらわた」ホラー界の大御所監督と思ってます。
そんなサム・ライミが久しぶりに撮ったホラーですから、もう~観ないわけにはいかないってほどの大きな期待をもって鑑賞に当たった作品です。
結論から言えば、面白かった。あんまり怖くは無いけど、ドキッとさせられたし、ストーリー的にも楽しませてもらいました。
襲い来るお婆さんってのもなかなか怖い。入れ歯が外れたり、コミカルなシーンではあるんだけど、ゾゾゾってします。
見えない何かに襲われるってのも恐怖を増長させる。
とにかく、所々ユーモアを交えながらの恐怖演出は、さすがサム・ライミって感じかな。
ただ、これはあくまでも個人的な感想なんだけど、サム・ライミ監督にはB級ホラーを撮ってもらいたい。 もちろん、この作品もB級テイスト満載だとは思います。
ただ、人気監督なだけにハリウッドテイストされてしまったと言いましょうか・・・。
B級特有の安っぽさが感じられません。かなり製作費もかかってるんじゃないでしょうか?画質的にも見やすくて、大変いいことだとは思うんですが・・・。
すいません、自分の求めているものとは違います。 タランティーノ監督がやった「グラインドハウス」みたいにわざとフィルムに傷をつけて昔っぽさを出すような、粗い画面(一作目の「死霊のはらわた」みたいな)のホラー映画をもう一度作ってもらえないかな~っとささやかな希望です。
【ラストシーンについて一言。ネタばれ注意!】
ホラー映画にはお約束の最後のドッキリ、もちろんあります。ただ、この作品では無理やりつけたドッキリ(死んじゃった殺人鬼が生き返ったり、夢オチ等)とは違って、理にかなっていたもので、大変感動しました。
呪われた物を他の人に渡せば良いということで、封筒に入れ無事渡すことが出来てホッとしてたんだけど、実は封筒が間違っていて、呪いは解消されていなかった。
まさに幸せの絶頂からドン底に突き落とされてしまった。
こんなこと言っちゃなんですけど、ホンっと面白かった。