劇場公開日 2010年2月20日

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「各々が身を寄せ合うターミナル」パレード(2010) マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0各々が身を寄せ合うターミナル

2010年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

「嫌なら出てくしかなくて、居たければ笑っていればいい」
朝「おはよう」と言える相手が居る。「ただいま」と帰れば「おかえり」と返事が返ってくる。互いの深層には踏み込まない距離を置いた生活。自分をさらけ出さない若者達にとって、この一室は居心地がいい。共同生活の場というより、各々が身を寄せ合うターミナルだ。
誰もが隠れた性癖や悪癖を持つ。悩みもあり、それなりの過去もある。同じ屋根の下で暮らしていても、誰も互いの実態は解らない。見えてるものがすべてという言葉が言い得て妙だ。
ラスト、ひとりが自らの心の歪みを吐露しようとしたとき、残った4人の目は行進の足並みを乱した仲間を冷たく見下ろす。

サトル役の林遣都がいい。どんな役でも起用にこなすし、存在感がある。身体能力も高いので、これからがますます楽しみだ。「ゴールデンスランバー」の濱田岳と共に注目株。

マスター@だんだん