「高齢者の恋愛」50歳の恋愛白書 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
高齢者の恋愛
今では良妻賢母として誰もが羨ましくなるほどの夫婦。物語は彼らが老人ホームのような老人ばかりのコミュニティに引っ越してきてから。で、現在と過去を交互に描く。
現在では友人サンドラ(ウィノナ・ライダー)が恋人との不仲の相談に乗ったりしていて、そんな時15歳年下のクリス(キアヌ・リーヴス)と出会う。
母親(マリア・ベロ)は薬物中毒。家出して叔母の家に転がり込むとレズビアンのルームメイト、カット(ジュリアン・ムーア)が棲んでいた。カットの小説のモデルとしてSMプレイをさせられ、喜んでしまうピッパ(ブレイク・ライヴリー)。叔母に家を追い出され、ドラッグまみれとなり、どんどん堕ちてゆくピッパだったが、ある時、小説家のハーブ・リーと出会う。財産家のジジ・リー(モニカ・ベルッチ)がいたにもかかわらず、彼に恋してしまったピッパ。ハーブもピッパを手放したくないと感じ、ランチの席上で離婚を切り出そうとすると、そこで拳銃を咥えて自殺をするジジ。衝撃的なシーンだが、なぜか突然切り替わり、ハーブとピッパが結婚式を挙げるシーンへと変わる。その後は薬物も止め、良き妻となろうとする・・・
しかし、現実に戻ると、80歳を越えてるというのにハーブがサンドラと浮気していると発覚!突然のことで戸惑い、ピッパはクリスのもとへと駆けつけるのだ。サンドラがすぐさまカミソリで手首を切るなんてところが笑えない(ウィノナ・ライダーらしいんだけど・・・)。さらに、突然ハーブが倒れてしまう。脳死状態となり息子と娘を呼び戻したピッパはハーブの安楽死を選択する(なぜだか重要な問題が感じられるが、さっと流された)。クリスと車の中で彼女にとっては久しぶりのセックス(最後までやったのかは不明)。告別式には出ないと宣言して、クリスとの新たな生活を求めて旅立ってエンディング。
胸にイエス・キリストの刺青をしているキアヌとか、リストカット女王のウィノナ・ライダーとか、いかれたジュリアン・ムーアとか、自殺するモニカ・ベルッチとか、印象的なシーンは多いが、最後のピッパの選択という無茶なストーリーが最も印象的。“老い”や高齢者の恋愛に関する問いかけみたいなテーマは感じるが、倫理的なものは無視か?子供たちも中東の危険地帯でのジャーナリストとして活躍するほど、全体的にキャラはぶっとんでいた・・・