沈黙を破るのレビュー・感想・評価
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沈黙を破る
パレスチナ/イスラエル映画ではないですね。
今、自分の人生で、何と闘っているかを投影できる作品ですね。遠い国の問題ではないような。是非、見に行ってください。
私は、国家に自分の人生が利用されてなるものか、と思いましたよ。
日本は、イスラエルのように徴兵制度はないものの、あまりに体制への抵抗力がなさすぎ。徴兵制がある国よりも「右向け右』への具体的な抵抗が弱いかな。
ある意味、「沈黙を破る」の元兵士たちの言葉を封じ込めない、とりあえずは「聞く耳」を持つ社会ってすごいな、って思う。
自分の職場でも、「そういうこと言うと、生きにくいよ。』的な、議論をさける風潮の凄まじい雰囲気。「法律で決まっちゃたんだから守らなきゃ」みたいのこと言われると、かなり苛立つな。憲法も法律も、国から個人の権利を守るためにあるもんでしょうが。
パレスチナを暴力で占領することで、イスラエルは内部から壊れていっている、という元兵士の言葉。
自国の過ちをしっかりと告発し、内部から自分の国が崩壊していることにきちんと警鐘を鳴らせる。いいね。日本もかなり、内部から崩壊している気がしてるんで、そういう動きを作り出したいと感じました。
「何かを受け取った」ように感じる作品
迫る視線が、「怪物になるのはとても簡単なことなんです」という言葉に説得力を与える。カメラとスクリーンを通して、イスラエルの元兵士達は自分に語りかけているように感じた。
実際、劇場で観ると、自分と彼らの間にあるはずのカメラやスクリーンは消え去り、人と人との対峙・出会いのような空間が生まれる。皆、等身大の人間として悩み、泣き、悼み、時に何かを諦めたりもしながら、しかし一抹の期待を持って全力で生きている。
占領地で何が行われたのかを、自らの話として語る元兵士たち。そして、封鎖され、非情な攻撃の中、懸命に生きるパレスチナの人々。彼ら1人1人に名前と個性を見出し、「イスラエル/パレスチナ」と総括して思い描いていた世界に、地に足の着いた像を描かせてくれる。
重厚なドキュメンタリーでありながら、無理なくグィと引き込まれ、劇場を出る時に、「何かを受け取った」かのような気持にさせてくれる作品でした。これはイチオシです。
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