ゴールデンスランバー(2010)のレビュー・感想・評価
全160件中、81~100件目を表示
信じることを忘れた人たちへ
「人間の最大の武器は信頼ですから」
主人公のこの言葉に全てが集約されている。
信じる者と信じない者。
この二極で物語は形成されている。
正確に言うと、信じる者を描くことでそれ以外を描いている。
そして「信頼」とは、当然ながら「その人間をどれだけ知っているか」という一点にのみ裏付けされている。
主人公を信じるのは、主人公をよく知っている人間のみということだ。
また彼が犯人でないことを知っているのは、この映画を見ている我々のみである。
うざったいくらいに差し込まれる回想シーンを通して、我々は彼を信じることもできる。
日頃第三者として様々な事件報道を耳にしている我々は、当然ながら加害者を信頼していない。
そして、ふと考える。
ある日自分の友人が加害者としてニュースで報じられたら、自分は友人の無実を信じることができるか?
恐らくできないだろう。
驚き、犯行に至った事情を推測するにとどまり、信じることを放棄するのではないか。
そういう意味では、甘ったるい映画とも言える。
しかし、逆に考えると、自分がいかに無防備に情報を信じ、人を信じることを放棄しているか、と問われる話でもある。
ただし、それは映画自体の面白さには直結していない。
そのため観賞後の満足感が少ないのも事実である。
もし、主人公を犯人として描き、我々一観客をも信じこませ、結果犯人ではないと裏切らせることができたならば…
映画という報道を観た僕は深く打ちのめされただろう。
モヤッとクスッと
あのー、謎が全然解けてないんですけどぉ~。
黒幕は?なぜ彼が?偽者は誰?
普通、ストーリー的には、逃げながらも真実を突き止めて真犯人を見つけ、めでたしめでたし。じゃないの?!何このモヤッと感。
まぁ、もし現実にこんなことがおきたら、あの選択しか生き残る道はないのかもしれないけど…。
ただ、途中ちょっと殺人鬼とのやりとりとか、マンホール花火とか、ラストの両親への書初め(?)とか、奥さんへのチクリとか、よくできましたのハンコとか、クスッとしたり、ウルッとしたり。
モヤッと感以外は、面白かった。
観終わるとほんのり爽やかな気分になる。
地上波で初めて放送されて観ていしまいましたが、うーん思ったより良かった。思わず小説読みたくなりなりました。最近では東野圭吾のどんでん返し的な作品に注目があたっていますがこの作品も素晴らしいストーリーです。主人公が国家的な陰謀に巻き込まれて、逃げに逃げて大逆転を狙うのです。疑問に残る点は色々あります①最後まで陰謀の詳細は分からず②10年前の車が動くわけないじゃん(ガソリン気化してるし)劇団ひとり、普通生きてるわけないよね等など。でもテンポ良くラストまで見れました。大学時代の仲間がフラッシュバック的にストーリーに絡みいいアクセントになっています。邦画は全て脚本次第ですね。お金かかっていないんだけど竹内結子がキュートでかわいいです。観終わってこんな大学時代送ってきたよなぁ・・・ってしみじみ幸せになれる作品です。
お~~っておい!
ラストまで観たらお~っと思いました。複線を全部繋げてさすがあのミス1位やな~とまで思いましたけど、何か本質のことが解決されてないのが何だかな~ きっちり仕上げている感じでしたけどまったくすっきりしない映画でしたね。ミステリーは後味悪くても全然いいですけど、あの終わり方にするならすっきりさせるべきです。まあ小説読んでないんで、あくまで映画のみの感想です。
ネタバレ※ラストに対して
もっと緊張感溢れるシリアス逃走劇だと思ってましたが、そうでもなかったです(^^;
友情+コメディ+SPって感じでした。
誰に、何故、どういう理由で犯人に仕立てあげられたのか何も解明しないままただ整形して逃げ切って終わりました。
個人的には巨悪を暴いて欲しかったな…。
なんだかすっきりしませんが、まあ面白かったです。
原作を読んでみたくなりました(^^)
キルオとロックなおじさんとエンディングの歌が自分的にかなり良かったです(^^)✨
どっちつかず…
原作は読んでいないので映画だけを観ての感想です。
大統領暗殺犯に仕立て上げられた主人公。なぜ自分が?何の目的で?どうしてこうなった?…しかし追われる身となった彼はひたすら逃げるしかない。観てる側にもそんな彼が犯人役に仕立て上げられた理由はさておき。
指名手配犯の少年やら元カノやらユニークなキャラクターが彼を助け、ありえないほど都合よく面白おかしく彼は逃げ続ける。この辺りのユーモア溢れる描写がツボにはまれば面白かったのかもしれないけど…
爆破シーンはサスペンス仕立て?元カノや亡き親友との思い出は心にじんわりヒューマンドラマふう?それにちょっとコメディタッチのキャラクターや逃亡劇が加わって何だかよくわからないフワフワした仕上がりに…
この感じがこの映画で一番表現したかったことなんだろうか…でもそれが中途半端な、笑えもしなければ泣けもせず、ハラハラもせず、一体この事件は何だったの?と疑問だけ残ってしまう結果に終わってしまったように感じた。
堺雅人さんや吉岡秀隆さんや香川照之さんや好きな俳優さんがたくさん出てただけに、なんだか残念…。みせ方によってはすごく面白いサスペンスになったような気がする。
それくらいの覚悟は持てよ
映画「ゴールデンスランバー」(中村義洋監督)から。
主人公、青柳雅春は、大きな影の力で、
首相殺害の犯人にしたてられ、どんどん追い込まれていく。
人間は「こいつが犯人」というイメージを前提に、
情報を植え付けられると、何もかもそれに結びついて考える。
マスコミは、火に油を注ぐように、追い討ちをかけ、
何の根拠もないまま、面白可笑しく報道し、
視聴者が受けることならなんでもする、といった形が優先され、
そのターゲットとなった人物の人権などは、無視される。
それに怒ったか、脚本家(もしかしたら原作者・伊坂幸太郎さん)は、
主人公の父を通して、こんな台詞を口にさせる。
「お前らのやっている仕事は、
人の人生を台無しにするかもしれねぇんだ。
それくらいの覚悟は持てよ」・・
マスコミに対して、吐き捨てるように言い放ったシーン、
久しぶりに、スッとすることができた。
これは、映画や小説の中のことだけではない、
日頃のマスコミの騒ぎ方をみるたびに、思うことでもある。
マスコミは、報道の自由を御旗に付けて、
何でも訊く権利があると勘違いしていないだろうか。
NZ地震被害で足を切断した学生に
「今、どんな気持ちですか?」と尋ねるのと同じだ。
「辛かったね、本当に良く頑張った、ゆっくり休んで下さい」
どうして、これくらいのことが、言えないのだろうか。
伊坂ワールド全開
もともと、伊坂幸太郎さんが好きで、期待していました。
あのシリアスなのにほんわかとした、何とも言えない空気が見事に表現されていて、原作を大事にした感じがしっかり伝わってきます。
2時間飽きずに楽しめました。
キルオが印象的すぎます(笑)
原作も映画もよかった!
インターネットで冒頭数分が公開されていたのを視聴し、気になったので本を読みました。
その後DVDで本編を視聴しました。
本で読んでいるときの緊迫感はさすがに2時間くらいでは十分に表現できないのですが、
俳優の演技や過去と現在の描き方は面白かったです。
あと、原作を読んでいる方には「ニヤッ」とするシーンがいくつかあります!
人情サスペンス
原作は読んでないが、日本でもスケールの大きいサスペンス・エンターテイメントが作れるのだと感心。
結局、首相暗殺犯は明らかにされないが、政府関係者ときちんと匂わせている。が、犯人探しの作品でない所が本作のミソ。
平凡な一般市民が訳も分からず事件に巻き込まれ、行き当たりばったりで逃げ続ける。非道な政府関係者やマスコミの中、主人公を密かに助ける人々も現れ、主人公の言う台詞「人間の最大の武器は信頼」が響く。
堺雅人の演技はさすがだが、濱田岳が非常に印象に残る。
伏線の張り方も面白く、何気ない会話や学生時代のエピソードの一つ一つが見過ごせない。
オール仙台ロケもリアリティを与える。
見て損は無し。最後まで飽きないで、充分楽しませて貰った。
原作が好きなら楽しめる
原作を読んでから観ましたが、正直原作で楽しめなかったからか、映画も退屈に感じました。
要所要所はとても綺麗で好きなんですが、全体で何が印象に残った?と聞かれたら返答に困るかな…。
でも、雰囲気は原作そのままなので、原作で楽しめたという方にはおすすめできる作品だと思います。
ちょっと不思議な映画でした
かなりネタバレです。
原作は読んでいません。
私の感覚でいうと、ちょっと不思議な映画でした。暗殺犯仕立て上げの話なのに、その真犯人が捕まらないどころか、誰なのか明らかにもなりません。こういうストーリー展開は初めて見たかも。ミステリーの肝心の背骨が抜けているようで、「あれ?」という感じ。おそらく、真犯人探しを語る作品ではないのだとは思いますが…。
あとは、逃亡する主人公のかなり軽率な行動と、それでも結局うまくいってしまうところが、ちょっと都合がよすぎるような。
最終的に、逃げ切った主人公。でも、真犯人は捕まっていないし、整形までして、これまでの人生を全て断ち切って生きることになるわけで、これってハッピーエンドなんだろうか?と、ちょっと考えさせられました。
学生時代の回想シーン以外では、主人公とヒロインが一度も直接会わないというのも不思議。
でも、部分的に面白い要素は沢山あるし、役者さんも上手。特に香川照之と永島敏行の演技はコワかった。ただ、ちょっと主役級を揃えすぎなところはイヤミな感じがしました。
上質な娯楽映画
これはただの逃亡劇じゃなかった!!
僕は原作を読んでいないのですが映画としてはなかなかだったと思いますよ!!
内容もハリウッドなどのように最後に黒幕を主人公が倒すのかなぁ??
などと思い見ていたら意外な展開に......
そういった面ではとても日本らしい映画だなぁと思いました。
なにげない会話や過去の回想が後半の状線になってくるので飽きないで最後まで鑑賞出来ますよ。
見て損はないと思います。
映画化どうこうより,堺雅人ありき!?
最近の(?)原作有りきの風潮や,
監督連中の青春懐古趣味(本作が,そうだというわけじゃあ,ありません.念の為…?),
竹内結子さん役程の物分かりが良すぎる女性観とかは.どうでも,いい感じで,
なんといっても,堺サンの普通過ぎる妙な(変な?)カンジ(?)は,
俳優仲間が,インタビューで,ふざけて(実のところ…マジで?)評していた,「笑って,人殺しそう…」な怖さ(?)を本作では,"逆に"(あえて?),笑いに転化封印でもしたかのような"フツウぽっさ"(?)で,
余計に"凄み"(?)を感じてしまった.
楽しめました
GWの最終日にみてきました。ネットでの評判よりおもしろかった。原作を読んでいたので、ストーリーに違和感はまったくなかった。キャストではロック好きの同僚が印象的。原作でのイメージより数段いい。
どこがと突っ込まれると困るけど、映画全体からビジネスの匂いがして、どうもそれで居心地がよくない。テレビ局主導の映画は、TBSは別として、そのあたりはみせない技術はあるよね。
映像化して大成功の作品!
最初「逃走劇だなんて結末が見えていてつまらなそう」との思いで劇場に足を運んだにも関わらず、良い意味で期待を裏切れました。もうすでに5回も劇場に足を運んでいます。
初回は確かに解らない部分が多すぎて消化不良の部分も多かったというのが所見の感想でしたが、なぜかミステリー作品なのに、もう一度黒幕との絡みや濱田岳くん演じるキルオの魅力に惹き込まれて何度も劇場に足を運ぶうちに、この作品の奥深さを見る都度感じてきています。
最初エンディングの音楽にすごく違和感を感じたのですが、それも見るたび払拭されて、今では「このエンディングだからこそ、暗い結末をすっきりさせてコミカルに集結させているのだなぁ」という感じになるに至りました。
これがこの世の現実。現実と黒幕警官とのファンタジーとを上手に織り込んだ、コミカルでかつスリリング・時折しんみりするシーンも交えた、中身の濃い面白い映画でした。
濱田岳さんの演技にもびっくりしました!こんな存在感のある若手俳優さんがいただなんて、この映画を見て初めて知りました。今後ますます飛躍していくであろう若手注目俳優さんですね。
思った以上にいい感じ!
自分が仙台近辺に住んでいる事と、出演する俳優や女優に興味があり(その程度で...)見たのだが、内容はとても巧く出来ていて、とても面白かった!(本を読んでなかったので)本来、竹内の車で走っているシーンを撮っている時すれ違ったのを確認する予定が、うっかり映画に見入ってしまい、確認する事が出来なかった(笑)思った以上の出来で最近見た中では、一番かも!
原作ファンでも大満足
この作品、原作をたまたま最近読んだんですが、
構成の巧さ、キャラクターの魅力、そしてハラハラドキドキするストーリー展開が素晴らしくて、
めちゃくちゃはまり込んで読んだんですよね。
それ以来、伊坂作品を読みふける日々を送っています。
なので正直、
「もう自分の脳内映像でお腹いっぱいなのに、わざわざ映画を見る意味あるのかなあ?」
なんて思っていましたが…
見て大正解!!すっごく面白かったです。
配役、ストーリー含め、映像化としては100点満点じゃないでしょうか?
大変よくできました💮
まず、始まり方からしてニクい。
あれは、原作読んだ人ならすごく思い入れのあるシーンの一つだと思うんですよね。
その他にも、ここははずさないでほしい、と思っていた場面のほとんどがきちんと入っているし、それも自分が思い描いていた通りで、ほんと見ていて楽しかったです。
堺雅人さんは…今更言うまでもないですが、ほんとにいい役者さんですね〜。
「南極料理人」の時も思いましたけど、本当はすごく2枚目なのに、なんでかあんまりかっこよくないんですよね。というか、ちょっとダサい?
でも、その姿があんまり一生懸命だからか、こっちも一緒になって笑ったり、泣いたり、ドキドキしたり。
見ていて飽きない俳優さんです。
竹内さんも、お母さん役がすっかり馴染んでいましたね〜。
やっぱり実際子供がいると、何か違うのかな。
でも学生時代もまたかわいくて、堺さんとの雰囲気もすごく微笑ましかったです。
テレビでの報道を見た時の
「何やってんの?青柳くん。」
の言い方が、晴子らしくて好きでした。
濱田岳くんのキルオも、個人的に原作でかなり好きで泣かされたキャラクターなんですが、
キルオの不思議な存在感を上手く出していたと思います。
そう、キルオって犯罪者なんだけど、憎めないヤツなんですよね…。
そして見事に涙腺を刺激されたのが、伊東四朗さんと木内みどりさん演じる青柳父母。
カメラに囲まれての、息子を励ますお父さんはもちろん(原作同様、警官のおじさんもよかった)、
最後の「痴漢は死ね」はもう…ズルい!
子役の女の子の、変にいい子してない普通っぽさもよかったし、まだまだ書き足りないですが、
とりあえず見てよかったでした!あったかい気持ちになれました。
全160件中、81~100件目を表示