劇場公開日 2009年10月10日

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「今の時代の、考えさせられる重いテーマ。」さまよう刃(2009) 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今の時代の、考えさせられる重いテーマ。

2009年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

東野圭吾が原作。少年犯罪と、その被害者家族が描かれています。今の時代、結構シャレにならないテーマです。

実は正直、最初は余り見に行くつもりも無かったんですが、原作が東野圭吾と言うことと、あらすじを知って、そのテーマに興味を引かれたので見に行く事にしました。ストーリーは、想像通り進行します。途中の長峰と木島親子&長峰と織部の絡み、そして、物語の結末と、期待(予想)を裏切りません。とは言っても、別につまらないわけではなく、テーマの重さに考えさせられて、物語に入り込んでしまいました。結果として、見に行って正解でしたね。

さて、主人公長峰役の寺尾聰ですが、『半オチ』と言い、『亡国のイージス』と言い、憂いを湛えた男の役が上手い! 長峰は彼以外にはありえないと確信してしまいました。

対する刑事の綾部役の竹野内豊もイイです。犯罪者を取り締まる刑事と言う仕事と、犯罪を犯してしまった犯罪被害者に同情する気持ちの矛盾に悩む青年刑事を非常に上手く演じています。

その竹野内豊を引き立たせているのは、綾部の先輩真野を演じた伊藤四朗。バラエティーのイメージがある伊藤四朗ですが、締める所は締めますね。織部が長峰に、菅野の現れる場所を教えたと言う事が判っていたみたいですが、多分、その可否を織部自身に考えさせながら、不問に付すんでしょうね。最後シーンでは、真野が長峰を撃つんですが、長峰を撃つとしたら真野以外には有り得ないと思いました。

やっぱりいい作品って、主人公も良いですが、脇を固める役者が良くないと、トータルとして良い作品にはならないという事がわかりました。その意味で、この映画は脇も良い役者で固め、非常に見応えのある作品になっています。原作も読んでみたくなりました。でも、読んだら、頭の中に寺尾聰とか、竹野内豊とかが出てきそうです(苦笑)

勝手な評論家