「ノルタルジックな絵作りの美しさ」つみきのいえ Ryunoshin Nakamoriさんの映画レビュー(感想・評価)
ノルタルジックな絵作りの美しさ
アマプラで予備知識なしに見たので、独特の絵から、てっきり外国作品だと思っていました。ノスタルジックで味わい深い作品です。
舞台は水没しつつある町で、世界の終末のような雰囲気です。しかし、電気は来ているしテレビもやっている。宅配もあるので、そこまで悲壮感はありません。むしろ、現代の老人と同じような、人生の最後の日々を、淡々と過ごす様子が続きます。老人は、一人孤独に食事をしていますが、その心には何も無い、単なる虚無です。やがて、自分の人生を振り返る旅の後、自分が家族の思い出の上に立っていることを認識します。最後もまた一人で食事をしていますが、すでにその心には、たくさんの思い出が詰まっていることでしょう。
「カールじいさんと空飛ぶ家」の(あれも良かった)冒頭シーンを思い出しましたが、それとは違う方向性で、じーんと来る作品でした。短編なので、1回見た後、奥さんを呼んでもう1回見てしまいました。
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