「勇気と自立と成長と。」塔の上のラプンツェル ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
勇気と自立と成長と。
グリム童話の“髪長姫”がディズニーの次のヒロイン、みたいな
ニュースはかなり前に見た気がする。あぁ~やっと?公開なんだ…と
もちろん観る気ではいたけど^^;また先送りにしていたら(2Dでいいと)
ずいぶん経ってしまった。しかも結局3Dで観ることになってしまった。
春休みや震災の影響で公開期間を延ばした感もあり、とりあえずホッ。
かなり高評価だな~と観る前から思っていたが、なるほど面白かった。
ヒロインの造詣、高い塔の作り込み具合、泥棒が姫を助け…って^^;
日本人なら、あのアニメか?と思い出すような既視感テンコ盛りながら
物語と映像と音楽がぴったりマッチし、あぁ~♪ディズニーだねぇ♪が
いっぱい。テンポがいいので(展開の予想はつくが)けっこうハマれる。
私は吹替え版(字幕も観たかったな)だったが、中川翔子かなり上手い。
ディズニー(というかピクサー)は声優を選ぶのが巧いと思っていたが、
今回もまったく外してない。ただ、歌声だけは違ってたのね~あんなに
上手いんだ、歌!?としょこたんの実力に驚いたが、そうじゃなかった。
まぁ~^^;そのあたりは差し引いても、実力派に交ってしっかり大健闘♪
元・宝塚の剣幸はさすが、ゴーテルの憎々しい台詞回しも歌も激ウマ。
元々スタジオにはピクサー時代から日本人技術者が多数いるのだけれど、
今回はラプンツェルの髪(これが主役ともいえる?)を担当したのが日本人。
二年間(!)長い髪の毛ばかりを描いていたそうで^^;いやはやどうも…。
しかしあの長い髪の毛の動きをどう構想したのかとリポーターが尋ねると、
なんと二メートルの髪を持つ女性に実際に動いてもらって取り込んだそう。
やっぱいるんだ?長髪姫。(爆)
18年間、搭に幽閉され、下界へ降りることを禁じられていたラプンツェル。
この物語のいいところは、彼女が自らの意思で降りることを望み、そこで
様々な体験をしたのちに、また自分の意思で幽閉される選択をするところ。
もちろん全てを知った上での決断で本意ではないのだが、愛する者の命に
代わるものなどないと悟った姫の成長ぶりには泣かされる。
可愛い子には旅をさせろ(ちょっと意味は違うけど)のように、子供はいずれ
自分の足で外の世界に出ることで経験を積んで、親と自分との距離を計る。
自立とは親と離れて暮らせば成り立つものではなく、精神的に旅立つこと。
何もかも知った姫が最終的に下した決断が他者への愛であったということが
やがて一国の象徴となる存在であることを証明したかのようである。
蛙の子は蛙、王の子は王女、やはり遺伝子の持つ力はスゴイ…と思わせて、
じゃあ悪党(つまり泥棒^^;)だった人間は変われるのか?をも描いて見せる。
フリンはラプンツェルに(謀らずも)恋をしたことで、自分を死から守ろうとする
彼女をさらに守るための賭けに出る。ここ、思わず声が出ちゃいましたね^^;
…あっ!!て。
長い髪の毛に象徴されるように、長年培ってきたものが永遠とは限らない。
若さや美に支配され鏡に取り憑かれる魔女のように(いつもそうなのよね^^;)
固執すれば失敗する、っていうお話。勇気を出して一歩、前へ(宣伝みたい)
(字幕吹替え陣も豪華ですねvあら、素顔まで似ているヒトもいたりして^^;)