プールのレビュー・感想・評価
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微妙に納得できない部分もあったので、癒され度は程々
「かもめ食堂」「めがね」と同じようなスローライフムービーでも、監督が荻上直子監督から大森美香監督に変わったからなのか、雰囲気的には似ているようでも趣は異なるところがあって、個人的には微妙に前二作ほどは嵌らなかったですかね。
食べ物もバナナフライ以外はそれほどそそられなかったですし、タイ感もそれほど前面には出ていなかったですから、のんびりとはしていましたが癒され度としては程々と言ったところでした。
ただでさえ何も起こらないシリーズなのに、今回はユーモアにも欠けていたので、より掴みどころが無かったなと・・・。
小林聡美が演じた母・京子の生き方にも、いまいち共感できず。
自分のやりたいように、好き勝手に生きている京子は、ある意味まさに理想的な生き方で、うらやましいとも思いましたが、一人の親としてはこの生き方はどうなんだろうか、もし自分が京子の子供だったらと考えると、納得は出来ないかなぁ。
終盤、ようやく親娘が本音で語り合うシーンが出てきてどうなるのかと思ったら、やはり全然納得できなくて、ちょっと拍子抜けでしたよ・・・。
子供への信頼感?でも、もう少し子供の気持ちも考えるべきでしょう。
大人になってからなら、このぐらいの距離感の方が親子関係はうまくいったりしそうですけどね。
ただ親ではなく、一人の人間としてならば、一度しかない人生、自分の好きなように生きるのは本当にうらやましい限りです。
また演じているのが小林聡美だと、全然納得できないのに、まあそれもいいかもと思わされそうになるから何か凄いですよね。
娘役の伽奈は逆に演技が終始硬かったですが、しっくりいってない親娘関係を思えば(娘目線でですが)、この硬さは雰囲気的にむしろ良かったのかも。
題名となったゲストハウスの「プール」の存在も、何か象徴的で印象深かったですね。
水が綺麗でゴミ一つ無い静かな佇まい、まるでもたいまさこの菊子や加瀬亮の市尾やビーや京子の関係性を示しているようでした。
誰も心の奥底には踏み込まず、波風立てない関係性、でもそれが心地良い、まるでオアシスのような場所、こんな場所でおいしい食事をしながら楽しく生活し、人生の終幕を迎えられたら、それはそれで素晴らしいことなのかも。
どうやって生活が成り立っているのか微妙なのは、突っ込んじゃいけないんでしょうね・・・。
人生のパラレルワールドを見た気がした。
自由奔放は母と振り回される娘。
母は自分を日本に残しながら、タイで親のいない少年と暮らしていた。
自分のやりたいことを自由奔放にやるという選択をした場合、
こういう風になるのね、となぜか自分の人生のパラレルワールドを見た気がした。
ただ気になるのは、これ荻上直子監督じゃないんだね(笑)
好きに生きる。簡単そうで難しい。羨ましい。 いい家ですね。あんなと...
好きに生きる。簡単そうで難しい。羨ましい。
いい家ですね。あんなところでのんびり過ごしたい。もたいさんはなくなったの?
この映画、何かを求めちゃいけません(笑)
うっとり
『プール』なにも起きない平和感が良い。(事件が起きたり、ドンパチやるのは面白いが疲れる。)
ストーリー、単純。ほぼ無し。だがそれが良い(少し見逃すと話が分からなくなるわけでもなく)
完全なる癒し映画。それでいて前向きな気持ちになれる。仕事が忙しくて疲れている時、何気なく観て明日からまた頑張ろ~って思えるような。
何かを求め続ける空間から 何を感じる空間へ
忙しい日常を忘れさせ、
時間がゆっくり流れる。
そんなひと時を味わえる映画でした。
誰かが話していましたが、
あまりにゆったりで……寝ました。
でも、それさえ、
「しまった」と
残念に思うことなく、
「また、みればいいか」
と思わせてくれた映画。
何かを求め続ける空間から
何を感じる空間へ
身体をすっと通り抜けていく。
今まで、何か言葉を求めて映画を見ていたきらいのあった私が、初めて出逢ったヒーリング映画とでもいうべき作品でした。
シンプルは美しい。 ゆっくりまったり流れる時の流れが 人間の面倒く...
シンプルは美しい。
ゆっくりまったり流れる時の流れが
人間の面倒くさい感情を洗ってくれる
そんな、風がタイのプールサイドには流れてた。
なんてったって小林聡美の歌と
加瀬亮のゆるい服装とか猫背っぷりとか、細さとか、…まぁ全部!が良かったー好きだー!!
タイに行きたくなる…
かもめ食堂からのシリーズ?の第3弾の作品なのかな…
相変わらず、スローな映画。
心地よい映画で大好きです!!
劇中で小林聡美が歌う2曲もすっごく良いし
もたいまさこの存在感も抜群!!
ただ、ラスト前の親子で初めて本音で話しをするシーンがあるのだが
小林聡美が演じる母親の考えは
娘として考えたら、あんまり納得はできないんだよな…
まぁ、でも自分の親があんな感じだったら
私は別に嫌じゃないかも。
かもめ食堂、めがねとは全くの別物
かもめ食堂、めがねを遅まきながら見てファンになり、この作品を鑑賞しました。
なんとも…今までの二作品はありそうでなかった丁度良い距離間の設定、だったのに対して
この作品はそれはないだろうという設定。
今までの二作品に通じて言えるのは、「食べる」ことを丁寧に描き、
それにより日々を大切にしている人々を感じることが出来た。
でもこの作品は食べることも人と話すこともどれも大切に丁寧に描かれていない。軸が人に寄っており、妙に現実的。
おまけにハッピーな気持ちにもなれず、終始イライラして終わってしまった。
監督が変わるとここまでダメなのか…
あー残念。の一言に尽きる。また監督を戻してやってくれないだろうかー
ストーリーも雰囲気も荻上直子監督的映画第1弾
荻上直子監督の名前こそ無いが、同監督の「かもめ食堂」「めがね」に続くスローライフ・ムービー。
小林聡美やもたいまさこや加瀬亮も出ていて、どうしても一連の作品がちらつく。
ストーリーは勿論あるが(タイに母親を訪ねて来た娘の物語)、まったりゆっくりのんびりとした空気がこの作品の売り。
話にメリハリが無い為、苦手な人は苦手だが、この世界観が好きな人は好きだろう。
荻上直子監督作品のような意表を突いたユーモアがあれば良かったが、ちょっとしたタイ旅行の癒やし気分は味わえる。
靴を脱いで向きを変えたのは、もたいさんだけ
映画「プール」(大森美香監督)から。
独特の間を持つ俳優さんたちが演ずる作品は、
一度ハマってしまうと、なかなか抜け切れない。(笑)
タイ・チェンマイ郊外にあるゲストハウスが舞台であるが、
メモをしながら、出演者の動きを観察していたら、
ストーリーとは関係ない、とても変なことに気付いてしまった。
宿泊者の共有スペースは、草履やサンダルといった履物を
手前で脱いで上がるのだが、もたいさんだけ、特別な動きだった。
履物を脱いだまま、そのままの向きで上がってくる人たちと違い、
もたいさんだけは、脱いで上がり、そのまま腰を下ろして振り返り、
履物の向きをくるっと変えて、揃えて置き直した。
それは演技なのか、いつもの彼女の習慣なのか、私にはわからない。
けれど、そのシーンが私の脳裏に非常に強く残っている。
こんなところにも、昔の日本人の「礼儀作法」が美しかった。
また「犬は近視なのよ」とか「猫はね、意外と遠くまで見えるのよ」
といった雑学的な話も、子どもにとっては大発見に違いない。
どこかのんびりした雰囲気の漂う、私の好きな映画パターンである。
こういう雰囲気の
映画は大切です。
これまで、かもめ食堂、めがね、と見てきましたがプールが一番好きです。
なんでだろうな?と自分も思うのですが、一番「?」となるのがめがねなら、
わかりやすいのはかもめ食堂で、その間がプールな気がします。
そして、タイのゆっくりとした時間の流れがスクリーンを通して伝わってきたところとかもよかったのかもです。
京子さんの潔い生き方、さよちゃんの葛藤、そして周りの人々。
あの雰囲気はコトバに現すのが難しいです。
あと、試写会で、小林さん、もたいさん、加瀬さん、そして監督の大森さんを見れたので余計特別な感じがしてるのかも・・・
(こんなに有名なヒトをいっぺんに見たことないので大興奮しました)
休日の昼下がりに ゆったり、のんびり
キャストの面々を聞いて、「かもめ食堂」、「めがね」に続く
ゆったり、のんびり、癒し系 三部作かと期待して劇場に足を運びました。
プールサイドのファーストシーンから雰囲気はありあり。
これはまたいつものいい空気の流れる時間が楽しめる予感です^^。
「ん~これは『かもめ』より『めがね』寄りかな~。」
なぁんて感じでウキウキわくわく観入っていたのですが…
☆10分経過。 いつもの雰囲気はあれど…
☆20分経過。 なにやら薄味…
☆30分経過。 あれれなんだか眠気が…
☆40分経過。 Z Z Z …
☆その2分後。 おっといかんいかん(汗)
ん~相変わらずほんわかのんびり。
☆また10分後。Z Z Z …
その後なんとなくじんわりと進んでそのまま上映終了…
すいません…
終始流れる雰囲気はやっぱりいい感じで
今回もまた美味しいごはんのシーンにやられたり
お馴染みの面々のちょっとした“間”とか
切り取る断片はすごくイイんです。
前2作のファンとしては
「いや面白いんだ。面白いはずなんだ。」
なんて自己暗示で擁護に回りたいのは山々なんですが…
やっぱり期待値でのハードル上げ過ぎ感は否めず。
そいえば監督さん違うんですよねー。
「映画も音楽も観客が気持ちよく寝られるのは一流だ。」
なんて言ってる人がいたのを覚えてますけど…
どーなんでしょうね。
企画でおなかいっぱい満足しちゃったというか
前2作でスタッフ、キャストが築いたものを
薄めて消費しちゃったというか。
少々がっかりでした。
それでもやっぱり嫌いじゃないんですけどね。この雰囲気。
劇中に流れる小林聡美さん作詞・作曲の曲とかも。
う~ん、やっぱり断片はイイんだな~。
それだけにもったいない。
またDVDになったらゆっくり見直してみよう。
※他サイトより転載(投稿日:2009/09/14)
あまりの心地よさにうっとり
すっかり仕事の疲れが抜け、うとうとしてしまうくらい気持ちいい映画でした。チェンマイの田舎の風景と、ゆっくり流れるタイ時間。
この制作チームがタイを撮るとこうなるんだ・・といった楽しみもあり、
「かもめ食堂」「めがね」に続き、今回も何度か見てしまうだろう、と。
そして、微笑みの国タイを代表する少年ビーがたまらなくかわいい。
家族というテーマのせつない部分も、前向きに捉えられて、
見終わった後はなんだかすっきりしている自分がいました。
「人と人はいつも一緒にいることだけがいいことかはわからない。」
さよがやっと京子へ思いを打ち明け大人になっていく姿に、映画では語られなかった親としての京子の気持ちもなんとなく見えた気がしました。
いろんな親子や家族の形があって、どれも同じ形ではないから。
大事なのは離れていても相手を想う気持ちを持っていることですね。
それにしても、京子や菊子のように生きてみたい。
すききらいで物事を決めるのは社会的にNGでも人間的にはOKだと思う。
自由に思ったままに生きることが難しいと感じている内はまだまだかな。
全体的に流れるアコースティックの音色がずっと残っていて、音楽も素敵です。
ハンバートハンバートも然ることながら小林聡美さんの歌声も同じくらいシーンにマッチしていてビックリしました。
たまっていたストレスが・・・・
ヒーリングのような映画でした。
タイって臭いとかきつそうな国のイメージなのに、出演者みんな、汗とかかいてないし、白っぽい透明な光が画面からあふれ、ずっと小鳥のさえずりが流れていて、現実感がありませんでした。体の薄い(細い)色の白い人ばかりが出ていたような印象です。
料理は全部おいしそうでした。朝食シーンの、食パンが映るところで「やっぱり律儀にpascoのパンを使っているのだろうか?」とか、いらんことを考えてしまいました。
京子はよくわからないけど、さよは分かりやすくやきもち焼いててかわいかったです。猫もよかった。←自分が好きなだけですが。
癒されましたぁ~
♪だんだん、長くなぁって行く~壁にのびる影ぇ~♪
目に見えないものを感じて
「かもめ」「めがね」に続く作品ですが、正直このシリーズは好き嫌いの話であって、この特徴をして批判したりごり押しするようなものではないと思います。そして僕はこの作品が好きです。
さよは家族から離れた母親の元へ卒業旅行としていきます。なぜそんなことをしたか聞くためでしょう。しかしそこにはビーという知らない少年がいて聞くタイミングを失います。そうしてそこにいる人達に、その関係が羨ましいといわれたり余命と戦いながらそこで暮らしていたり、ビーには母親がいなかったりでいろいろ考えさせられます。そしてついに母親にぶつけた時… あの時の感じがすごくよかった。ぶつけられた母親はただ受け入れぶつけたさよはなんとなくすっきりしたような嬉しそうな感じでまた鍋を食べる。離れてたけど親子だなって感じがした。別に子を捨てて自由にすることが許されるとかいう訳ではない。なぜ捨てたかは分からない。余命がわずかの菊子の為にタイに行ったとも考えられるし、ただタイが気に入って行ったのかもしれない。この家族においての真相は分からないがそれぞれの感情の動きを感じ取ってもらいたい。大森監督が「難しいことを考えずに観て、目に見えないものを感じてもらいたい」と言っていた。このシリーズの持ち味の美しい自然と料理を背景にすることで雑念なく感じとれると思う。
付け加えると、僕は個人的に映画に出演者が歌を歌ってるのが嫌いです。それは話の流れが突然止められたように感じるからです。だから、二十世紀少年やゲド戦記ではすごいやな感じがしました。その点この作品で歌のシーンは二ヶ所あったけど違和感なく入れたし感動すら覚えたためより印象深い作品となりました。
癒されたい人はどうぞ
「かもめ食堂」「めがね」の路線を踏襲した作品、というのはまちがいないです。観に行く人たちも、ある程度それを期待していくしね。
私自身は、「かもめ食堂」を観た時は、「なーんにも起こらない」という
ありそうで絶対になかったストーリーの斬新さに驚き、
「めがね」では、正直ちょっと退屈したのですが・・・
今回もまた、タイ・チェンマイのゲストハウスで働く主人公と
そこを訪れる客(といっても、実の娘)のほんの数日のお話です。
今回もまたまた、客がぜんぜんいなくて、
「ここ、経営大丈夫なの?」と思わず心配してしまいますが、
かもめ→ めがね と観てきた人たちは
「それは突っ込まないお約束」というのを理解しているはずなので
このブブンは放置、ということで・・・・・
見かけはかもめ路線でも、今回は「親子の距離感」というような
普遍的なテーマを扱っているのだけれど、
それがどうしたって共感を得られない設定なので
残念ながらアウト!です。
一人娘をほったらかしにしてまで
母がタイにやってきて「やりたいこと」がなんだったか
全く見えないし、
娘はさびしくて母を恨んだというのだけど、
初めての海外旅行に母の居る場所を選んで、日本を発ってきた
という時点で、
もうすでに娘は大きな一つのハードルを越えているようにも思います。
巨大な涅槃仏、風の音と鳥のさえずり、野良牛の鳴き声、
日本語をちょこっとしゃべれる礼儀正しいタイ人の男の子、
市場に山盛りの新鮮な食材、
テーブルにならぶ美味しそうなタイ料理、日本料理、
携帯のつながらない解放感、
願いを乗せて高く高く舞い上がるコムファイ・・・
癒しアイテムは満載で、
前作以上に癒されることは間違いないので、
好きな人は観に行くのがよろしい・・・
レディスデイに女三人くらいで観に行って、
誰かに
「いい映画だったわねぇ~」とか先にいわれちゃうと、
なかなか否定するのが難しいタイプの映画ですよね。
つまんない人には、苦しいほどつまんない映画だと思います。
だから、オススメもしなければ、否定もしません。
(してるかな?)
話変わって・・・
「菊子さん年代になってのこういう暮らし」というか、
一連のドラマにでてくる「もたいまさこ」の立ち位置は、
60代くらいの女性にとっては理想じゃないかな?
と思いました。
私にはまだちょっと早いですが、
生まれ育った場所にこだわらず、自分の気に入った土地で、
ゆったりした可愛い服を着て、拾った猫たちの世話をしながら、
現地の人たちとは日本語しか喋らない、でもちゃんと通じてしまう
そんなんだから、余命半年といわれても、うっかり長生きしてしまいそう・・・
ビジュアルはもたいまさこである必要はないですが、
彼女のキャラは、10年後の私の「なりたいキャラ」ではないかと思います。
ふたりの親子関係には最後までリアリティ感じられませんでしたが、
三人でうたう「君のすきな花~♪」の歌とギターはよかったな。
ちょっとベタだけど、幼いころ母が歌って覚えた曲で、
異国の地でめぐりあった男の子とも心を通わすことができたのですから。
エンドロールをみたら、小林聡美作詞作曲、とありました。
この映画、結局、小林聡美に救われましたね。
評価軸の距離
男語る:
『デトロイト・メタル・シティ(無茶苦茶面白かった)
の脚本家が、本作の脚本と監督だけど
ストーリーが無くて退屈でチェンマイの映像も
それほど綺麗というわけでもなく
プールや熱風船や動物の映像も特筆すべきものはないし
いつもの役者さんを見る以外の見所はないよね。
結局、母と娘の考え方の違いも、解決には至らなかったし
預かっている子供の母親も探し出せなかったよね。』
女語る:
『ストーリーが無いことが、良いの!
結論めいたことを言われると、うっとうしいし、押し付けがましい
結論が無いことで、ありのままでいれることに癒しがあるの!!
男は、風景や動物に癒しがあると考えるかもしれないが
そうではないわ。
セリフが多い訳ではなく、物語も進まないけれど
独特の間や役者さんの醸し出す雰囲気や行動に共感を覚える部分多数
言葉ではうまく表現できないけれど掛け値無しに良いのよ。
それから、あえて笑いのネタをさけて
全体の雰囲気を壊さなかったことも、よかったし
ストーリーが無いほうが、飽きずにDVDも
何回も観れてお得だしね。』
男納得:
『かもめ食堂』もストーリーが無いのに
どこがいいのかと思っていたけど
評価の軸がこんなところにあったとは驚いた。
もしこんな母だったら。
「かもめ食堂」は音楽も含め^^;いい作品だった。
続く「めがね」は不可思議でx私にはイマイチ…。
今作はどうだろうかねぇ…?と、
たいした期待は持たずに観に行ってみた。
漫画家・桜沢エリカが映画化を前提に書いた原作、
ここに描かれる母娘関係は、彼女の体験だそうだ。
これを観て私はなぜか松田聖子母娘が浮かんだ^^;
あそこの家もこんな感じだよなぁ…と。
そして、昔TVインタビューで沙也加が聖子のことを
こんな風に言っていたのだ。
「母はどうして、ああいう人なんだろうと、
なぜ他のお母さんたちとは違うんだろうと、
いつも思っていました。でも今になって母のことが
少し理解できたような気がします。」と、まるで
今作で娘・さよの台詞のようなことを言ったのだ。
自身の夢や理想を追いかけては、すぐ実行に移す、
置いて行かれた娘からすれば、それが当り前だと
開き直る母親・京子の生き方が理解不能なのは当然。
いろいろな親子関係があり、様々な生き方があるが、
子供がまずいちばんに親に期待するのは、自分が
親にとって「絶対価値」の存在であることだと思う。
いやおそらく、この京子にしても娘が大切なのは
当然のことなのだが(ストールを作り持たせる所など)
なんというか…^^; まず、自分。のヒトなんだな。
つまりその「絶対価値」を自分に当ててしまうのだ。
これを当然と演じた小林聡美も巧いといえば巧い。
今作から監督が変わった。
もたいまさこ以外は(爆)さほど不可思議感もなく、
ごくごく普通に話は展開していく。
なんでタイ?なんでプール?…観終えてみても、
今作ではあんまり関係がなかったようである。
今までのように、料理シーンもあるにはあるが、
うわ♪美味しそう~♪というほどのものはない^^;
力を抜いて、それぞれの気持ちを噛みしめながら、
観てみる作品なのかなぁーと思う。
新人・伽奈は普段のぎこちなさ^^;と比べてみると、
映像にのった方がかなり堂々としていて良かった。
加瀬亮も相変らず雰囲気をつかむのが巧い。
(チラシの裏にさよの手紙がある。いい子だなぁ…)
魅力半減
「かもめ食堂」「めがね」に続く癒し系だが、いい意味で“空気のような映画”も、さすがに3本目ともなると、観る側の意表をつくような遊びが欲しいところだ。ところが、何もない。それどころか退屈だ。前2作は、これといったドラマがなくても、最後まで魅せる力があった。今作は、その力がなく、途中、何度も眠たくなった。題名にもなっているプールの存在が、今ひとつ活かされていない。また、微妙な人間関係の設定と描写が前2作に比べてぞんざいだ。「かもめ食堂」クルー作品の魅力のひとつ、おいしい食べ物も、今回は生唾が出そうなシーンが皆無だった。美味しそうな料理だけではダメ。それを取り囲む人たちの幸せそうな顔が必要だ。
どうやら、プールに3匹目のドジョウはいなかったようだ。
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