「目に見えないものを感じて」プール pignonさんの映画レビュー(感想・評価)
目に見えないものを感じて
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「かもめ」「めがね」に続く作品ですが、正直このシリーズは好き嫌いの話であって、この特徴をして批判したりごり押しするようなものではないと思います。そして僕はこの作品が好きです。
さよは家族から離れた母親の元へ卒業旅行としていきます。なぜそんなことをしたか聞くためでしょう。しかしそこにはビーという知らない少年がいて聞くタイミングを失います。そうしてそこにいる人達に、その関係が羨ましいといわれたり余命と戦いながらそこで暮らしていたり、ビーには母親がいなかったりでいろいろ考えさせられます。そしてついに母親にぶつけた時… あの時の感じがすごくよかった。ぶつけられた母親はただ受け入れぶつけたさよはなんとなくすっきりしたような嬉しそうな感じでまた鍋を食べる。離れてたけど親子だなって感じがした。別に子を捨てて自由にすることが許されるとかいう訳ではない。なぜ捨てたかは分からない。余命がわずかの菊子の為にタイに行ったとも考えられるし、ただタイが気に入って行ったのかもしれない。この家族においての真相は分からないがそれぞれの感情の動きを感じ取ってもらいたい。大森監督が「難しいことを考えずに観て、目に見えないものを感じてもらいたい」と言っていた。このシリーズの持ち味の美しい自然と料理を背景にすることで雑念なく感じとれると思う。
付け加えると、僕は個人的に映画に出演者が歌を歌ってるのが嫌いです。それは話の流れが突然止められたように感じるからです。だから、二十世紀少年やゲド戦記ではすごいやな感じがしました。その点この作品で歌のシーンは二ヶ所あったけど違和感なく入れたし感動すら覚えたためより印象深い作品となりました。
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