新宿インシデントのレビュー・感想・評価
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ジャッキー・チェンが出てるのにR15+
吹き替えで。 2009年の映画、設定は暴対法施行直前後の1990年初め。 新宿、大久保が舞台でロケは神戸南京町でも行われたらしい。 ジャッキー・チェン映画なのにお笑い一切無し、カンフーアクション無し。 泥臭い暴力のみ。 翻弄される中国密入国者が闇に取り込まれる悲哀をノワール調でみせる。 何故に放送されないのか不思議でしょうがなかったが 完全に蔑称として「支那人」と連呼しているので無理なのね。支那は地理的な文言なのになぁ。。。 ファンビンビンの顔の小ささと派手さが浮きまくり。 ジャッキー・チェンのベッドシーンあり。白人と騎乗位 阿傑が義手を手に入れてからの変わりようがエグい、一体何をイメージしたのか?ブレードランナーのパリス(ダリルハンナ)か。 スケールのでかいVシネ 澤田 拳也がいい役どころ 倉田保昭さんが勿体無い 腸が出たり腕切れたり焼かれたりエグ目
任侠密入国者
ジャッキー映画の物語はいつも似た展開だが、この映画はかなり違う。なんせ冒頭から密入国の話なのだ。 カリカチュアされ気味の日本描写だが、さほど的外れでもない。異国人には成り立ちも内情もわかりにくい暴力団内部も意外としっかり描いてる。ジャッキー映画なのに。 しかし中盤以降はカオス。ヤクザ抗争に話が移り暴力シーンが加速していく。(ジャッキーは一切高い所にも行かずカンフー技も出さない) 民族的対立をも描いているのにも驚き。そしてクライマックスは邦画ヤクザ映画も顔負けのバイオレンス!終わり方も意欲的! ジャッキー映画ファンが喜ぶか?と聞かれたら難しいかもだが、俳優ジャッキー好きならこのチャレンジングな試みは評価するだろう(自分は後者)
退屈はしないが楽しめはしない
ジャッキーはこの映画で「賞も視野に入れている」と言っていた。それまでのアクションスターとしての肩書から、演技派俳優として評価されることを望んでいたように思う。 しかし一朝一夕にはいかないものである。日中の社会問題をリアルに織り込んだ話で陰鬱さを遠慮なく盛り込めば、テーマが重くなって自動的に深刻な映画たりえてくれるとの思い込みが、根底にあったように思う。日本と中国の両方で、わっと評価が高まってほしかったのだろうし、日本においては「ブラック・レイン」のような評価を期待していたのかもしれない。 だが、香港映画人として刷り込まれた、度を越したサービス精神?が相変わらず顕著で、とにかく観客を退屈させまいとあらゆる要素を放りこみすぎてしまう。時にそれがリアリティを逸脱するものであっても、退屈よりはマシという香港ムービーの血が、まるっきりナンセンスでグロテスクで悪趣味なだけのシークエンスを作りだしてしまう。切り落とした手を屋台で焼くくだりはやり過ぎで、香港映画だなぁと思ってしまう。 竹中直人の役は、なんだか腹の中に陰謀でも秘めてそうに見えたので、本当にジャッキーのお友達として友情を温めあっているとは思わなかった。だから最後も素直には感動できなかった。 ひたすら陰気な話を続けて、主人公死亡の悲惨な幕切れなら、芸術映画とみなされる…そんな風に思い込んでいるとしたら、ちょっと勉強が足りないなと感じる。 こんなジャッキーみたことない、と宣伝文句に打っている時点で、結局はジャッキーの従来ファン頼みの興行と丸わかりである。一般の映画ファンに評価され賞を獲るような演技派俳優になりたいという夢は、配給会社にすら同感を得られていない。 また、歌舞伎町の不法入国者が減ったのは都による浄化作戦など行政が本腰を入れたからで、中国の経済発展だけが理由ではない。あのエンディングの表示も無責任すぎると思う。
こんなジャッキー・チェンは観たくない!
日本版「ゴッド・ファーザーpartⅡ」??? 全然ジャッキー・チェンらしくない役柄だった。もう年だから、カンフー・アクションから脱却したい気持ちはわからなくないが、合わない。殺人の場面もコメディっぽい仕草で、ヤクザ映画らしくなかった。ストーリーもすごく安っぽい感じで、残念だ。こういう映画じゃなくて、もっとジャッキー・チェンに合った役柄があるはずだ。ハート・ウォーミングな話とか、チャップリンみたいな映画とか、模索してほしい。
ちよっと都合良すぎでは?
日本の暗黒社会の中の中国人を描いたものとしては、とても示唆に富んでいるし、大変興味深いシーンも多い作品だとは思う。しかし、そちらに視点を向かせるために、都合いいようにストーリーを組んでいるように見えた。 中国から日本へ密航してきた主人公は、最初は真面目に働こうとするが、昔の恋人がやくざの妻におさまっているのを見るや、突然、悪の世界へと方向転換する、という物語の本筋の導入じたいが、ちょっと単純すぎるし、日本のやくざ側の裏はありながらもあっさりと中国人たちへと縄張りを譲るというのも、ちょっと話がうますぎる。法律の縛りがあるとはいえ、もう少しこの時点で抗争があってしかるべし、だろう。 そして、主人公と刑事との友情のはじまりが、ラストシーンにもう一度現れる、という演出も、ちょっとわざとらしく、興ざめしてしまった。ちょっと工夫が足らなさすぎる、という感想をもって、映画館の席をたった。 ただ、落ち着いて考えると、香港映画では、この程度の単純な物語の流れはよくあることだ。この作品に関して、評価の高い記事を目にしていたことと、日本が舞台なので日本映画のような気分で見ていたから、ちょっと辛い点数になったのかもしれない。香港映画全体から見ると、レベルの高い作品なのだろうか。それを考慮したのと、後半の抗争アクションの迫力で、10点ほどアップさせてみた。 ちなみに、主人公役のジャッキー・チェンは、いつものアクションを封印したせいと、ノーメイクに近かったせいもあるが、顔つきに生き生きとしたものがなく、やたらに老けた印象をうけた。あのスターもこのまま終わってしまうのか、と不安を感じている。
新宿で観た新宿インシデント
ジャッキー・チェンが主演と聞かされれば、 当然期待する「カンフーアクション」!! でも、本作では「封印」??? じゃあ、なんでジャッキーなのか・・・ わからない??? キャスティングでもジャッキーだけ浮いている う~ん、わからない??
カンフーのないジャッキーなんて、物足りなさはぬぐえませんでしたが、シリアスな演技には納得。不法移民を描くバイオレンス作品としては、新宿を舞台によく描かれていたと思います。
ジャッキー・チェンは、常々アジアの映画は、アジア諸国同士の協力体制がなければハリウッド映画に飲み込まれると言い続け、アジア映画のレベルアップを第一に、今回自らプロデューサーとしてアジア人のアジア人によるアジア人のための映画を製作を目指してきたそうです。 そのアジアン・プロジェクト第1回作品となるのが本作です。 世界一の歓楽街、新宿・歌舞伎町。わずか500メートル四方のこの町には、日本のヤクザばかりか、中国、台湾をはじめ中東までのアジア各国、南米のマフィア組織が集まり、うごめき、予測のできない黒社会が築きあげられてきました。 そして、この歌舞伎町を舞台に、アジア全ての映画賞を獲得したいと、ジャッキー・チェンが渾身の演技で新境地に挑んだのです。 実は、全く新たな役柄に挑戦したことについて、ジャッキーにも不安があったようです。プレス資料で「この作品で、僕は初めて黒社会の人間を演じ、初めて人を殺し、初めて女遊びもする。・・・鉄頭という役柄を受け入れてもらえるかどうか、いろいろ考えた。俳優 として、もしマーケットだけを考えたのなら、僕はこの役はやらなかったと思う。」と答えていました。 それでも挑戦してみようと思ったわけは、「この映画に出だのは、俳優としてアーティストとして、新しい自分に挑戦しようと思ったから。また、観客にも挑戦しようと考えたから。」と述べています。 実際に本作の中でのジャッキーは、カンフーアクションを一切見せないのです。しかも敵には果敢に向かっていくものの、そんなに強くなく、ラストでは逃げ惑うのです。 あとジャッキーは常に正義の味方でしたが、今回の鉄頭というキャラは、日本に不法入国して、ありとあらゆる不法な商売に手を染めます。そんなダーティハリーでヨワッチィ姿を見せつけられる今までのジャッキーのファンは、愕然とすることでしょう。ハッピーエンドとは言い難い、哀愁に満ちたラストシーンも余りないことです。 今までも、時々シリアスな演技に取り組んだことはありますが、本作では今まで見たことがないジャッキーを見ることが出来ました。 アジアに目を向けたとき、彼が選んだ舞台は、東京・新宿。香港映画のスタッフが新宿を写すと、新宿の風景が香港の街角に見えてくるから不思議です。 中国の貧しい東北部に生まれ育った鉄頭は、日本へ行ったきり音信不通になった恋人を探して密入国します。やっと見つけた彼女はヤクザの幹部の妻に。鉄頭と元彼女との間の関係は、もっとねちっこく波乱を生んだ方が面白かったのではと思いました。 土地感もない異邦人の彼は、歌舞伎町で出会った同郷の不法滞在者の仲間と共に、最底辺の仕事をこなしながら日々の暮らしをしのいでいきます。 人生の3割は運命と諦めるにしても、残りの7割は戦って勝ち取るしかないと思い定めた彼は、日本に残り、仲間と共に新宿で生き抜いてゆく決意を固めます。ここで不法滞在者のしのぎ方が、一通り披露されます。なかでも鉄頭の仲間が万引きするくだりには、カチンときました。日本人は、盗まれるとは思っていないとと店頭から堂々とゴルフバッグをくすねていくシーンは、チョット日本人をバカにしているのでは? そして新参者が新宿で裏家業に精を出すとき、日本のヤクザ、それに中国マフィアから の圧迫という恐怖に常に苛まれながらの毎日となります。 中国マフィアは凄惨を極めて、目を覆いたくなるよなリンチシーンもありました。 新宿を取り仕切るようになった組長と手を組むことで、鉄頭の不法移民の集団達は、新宿を仕切る権力を持つまでになります。そして鉄頭は黒社会の実力者となってゆきます。 物語は、実力者にのし上がった後の方が盛り上がっていきます。 しかし、新宿の仕切りを任せた仲間たちは、いつしか麻薬や殺人が日常茶飯事のヤクザの世界に足を踏みいれ、日本のヤクザの抗争に巻き込まれていきます。 堅気の事業に専念していた鉄頭は、仲間たちを破滅から救うために、彼らのアジトに命がけで乗り込んでいくストーリーでした。 アウトローの聖地といわれる新宿。多国籍の歌舞伎町を舞台に、ギリギリの中で懸命に生きる人間たちの欲望・葛藤、立場をこえた愛と絆。エネルギッシュな裏社会の抗争と愛憎のダイナミックな人間ドラマです。 日本からも多数俳優が出演していますが、中でも片言の中国語が話せることで、鉄頭の理解者となるマル暴担当北野刑事の竹中直人が印象的でした。 竹中のグッと押さえたリアクションと人情味をたたえた語り口は、主役の鉄頭を一段と引き立てた演技で特筆ものと思います。 カンフーのないジャッキーなんて、物足りなさはぬぐえませんでしたが、シリアスな演技には納得。不法移民を描くバイオレンス作品としては、新宿を舞台によく描かれていたと思います。
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