「大人のせいでモラトリアムを終了した青春」チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室 samurai_kung_fuさんの映画レビュー(感想・評価)
大人のせいでモラトリアムを終了した青春
「40歳の童貞男」や「無ケーカクの命中男」「寝取られ男のラブバカンス」など、今や青春を語るのは思春期を過ぎたオッサンばかりである。で、本来青春を語るベキ高校生は逆に大人になる事を余儀なくされ、そのアンビバレンツな立ち位置に苦悩するハメになったのである。
本作では新しい学園ヒーロー像が提示される。
気兼ねの無い話相手で、適当な向精神薬を売ってくれる同級生。モグリの精神科医でプッシャーこそが今の高校生活に風穴を開ける存在であると。ドラッグはもはやハイになるためと言うよりも、真っ当と言われる人間関係を築くための安定剤として服用される。
ある種、カタキ役として登場する校長が「再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ」で当時の若者の成れの果てを象徴的に演じたロバート・ダウニーJRであるのは意図的なキャスティングである。
当時の青春スターが未だにモラトリアムを延長している今、00年代の高校生を象徴する1本であり、歴史的なポジションムービーとなる傑作。
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