宇宙(そら)へ。のレビュー・感想・評価
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日本語版のテーマ曲をなんとかしてくれぇ~
宇宙を目指して、国家の威信をかけて、 日進月歩の開発をつづける、アメリカNASA. 雄大な映像とメッセージ性の強い内容を想像していたのですが、 古いニュース画像に、「秘蔵映像」を交えて、 つぎはぎのドキュメンタリーという印象でした。 NASA50年の歴史を一挙放映!永久保存版!! テレビの特番みたいな感じです。 私はリアルタイムで知っていることも多く、 かなり懐かしかったのだけど・・・ 1960年代のうちに人間を月に送るという、 ケネディ大統領の宣言。 目標を設定してそれに向かって努力すれば 人間に不可能はないことを実証するような 夢多き時代でした。 でも時間をおいて見ると、ずいぶん無茶をやってきたようにも思います。 5回に1回は失敗する、まるでロシアンルーレットのような ジェミニ計画。 失敗するたびに、とてつもない国家予算が灰となり、 尊い人命を失うことも。 当時は、宇宙開発は冷戦下の旧ソビエトとの競争で、 「ここで遅れはとれない」状態だったので、さもありなん、 なのですが、この映画ではソビエトの存在は全く無視、 だったので、歴史を正しくは伝えてはいないのでは、 と思いました。 宇宙飛行士といえば、アームストロング・オルドリン・コリンズの アポロ11号トリオの名前がまず思い浮かびますが、 私は「地球は青かった」のガガーリン 「ヤーチャイカ(私はカモメ)」のテレシコワだなぁ~ 心身ともに屈強な飛行士たち。 彼(彼女)らは、ミッションを果たすために 過酷な訓練に耐え、宇宙に飛びたてたとしても 無事生還できるとは限らないのです。 生還すれば英雄となり、大歓声をあびるのだけれど、 命を失う結果になることも。 それもこれも未来に向かって前進あるのみ、は、 ただただ「お国のため」 と言っているように感じたのだけれど・・・ 夏休み中の小学生を見込んでの公開のようですが、 じゃあ、子どもたちに何を感じてほしかったんだろう、と思うと・・・ 親に無理やり連れてこられた「ちょっと理解力のないお子様」 にとっては、この映画、途方もなく難しいです。 古い映像はぼんやりしていて見づらいし、言葉も難しい。 逆に、「賢い部類のお子様」にとっては、 地球のこともよくわかってないのに宇宙へ飛び出してしまった あの「行け行けドンドン」の時代がどう映ったかな? 科学技術の進歩の説明は少なく、飛行士たちの勇気とか、 失敗をおそれない・・・といった精神論ばかりなので、 子どもたちの共感を得られたか、ちょっと心配です。 むしろ、過去の愚かさの上に、新しい時代をつくってほしい というのならわかるのですが。 エンディング近くで、記憶にまだ新しい、 スペースシャトルコロンビアの事故をとりあげていました。 帰還寸前に連絡を絶った時の管制室。 事故を知った管制官の表情がすべてを物語って、 このリアルな映像は「アポロ13号」の映画以上でした。 知らないことは知らないままでいい 未知の世界に興味はない 自分の目で確かめたいとは思わない・・・ そういう考え方があってもいい (でもNASAの宇宙開発はそういう考えではなかった) というナレーション。 宮迫の抑えめの低い声もなかなか良かったです。 ちょっと感動のうちにエンドロール。 そしたら、ゴスペラーズの「宇宙へ。」 「あのそらへ~♪ とどくまで~♪」 というフレーズがあるから採用された、というか、 逆に「ロケットメン」が「宇宙(そら)へ。」という 邦題になったのでしょうか? ご丁寧に歌詞まで流れて、 宇宙とはぜんぜん関係ない恋の歌なのに。 もうホントにしらけて、ぶち壊しでした。 だいたい。宇宙と書いて「そら」なんて、 理由と書いて「わけ」 運命と書いて「さだめ」 女と書いて「ひと」 演歌の世界じゃん!! それにさいごの○はなに? 「モーニング娘。」じゃあるまいし・・・
掘り下げ不足なドキュメンタリー
今までなかなか見られなかったNASAの蔵出し映像が満載で その歴史を大まかに辿るドキュメンタリー。 何故宇宙を目指すのか? という壮大なふりをしておきながらスッキリしない。 宇宙飛行士やそれに関わる人間の熱さを感じられることを期待したが たんたんとした展開に眠気すら感じてしまった。 綺麗で素晴らしい映像が大画面で見られるとも期待したが、 当時の古臭い映像のみで臨場感にかける。 本来は当時の映像を使ったかなりリアリティ有るはずだが、 SF映画を見なれてしまったせいか、 「これは当時の映像だ!」 そう頭で考えないとそのリアルを感じられない。 ただ、唯一チャレンジャー号の空中爆発は息を呑まされた。 地上の管制官たちが呆然として何も出来ず固まっている姿は、 何よりも雄弁であろうか。 ドラマチックな物語を期待したら、古臭い写真集だった感じ。 期待しすぎたのは確かであるが、 もうちょっとなんとかならなかったのか、というのが正直な感想。 「ライト・スタッフ」や「アポロ13」の事実に則した映画の方が、 宇宙にかける男達の思いを感じられる。 もっとも、思いを込めず事実を淡々と描くから ドキュメンタリーなんだろうか? そうだとしても、作品が伝えたかったことが今一つ伝わってこない。 それにしてもナレーションにお笑いの方を使い、 エンドテーマ曲に歌詞の内容と映画が合わない曲を持ってくる。 映画の力が足りず、こうでもしないと客を呼べないのか。 宮迫が上手いとかヘタとかそう言うことではなく、 情熱大陸やWiiのCMでナレーションされている窪田等など 本職の声でこういう硬派な作品を飾って欲しかった。
NASAの話なのに、何故BBC。
NASA創立50周年、アポロ月面着陸40周年を記念してイギリスBBCがNASAの膨大な記録映像をまとめたドキュメンタリー。NASAはアメリカの政府機関なのに、何で映像化がイギリスのBBCなのか?と言う突っ込みは無し(笑) マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画、スペースシャトル計画と時代を追ってアメリカの宇宙開発史が振り返られます。もちろん、アポロ1号の悲劇、スペースシャトルチャレンジャーの悲劇、同じくコロンビアの悲劇もきちんと語られています。ですが、もう少しで悲劇になるところだったアポロ13号の事は全く触れられていません。映画化もされたので、食傷気味と言うことでしょうか? アメリカの宇宙開発なのであれば、スペースラブも語るべきだと思うのですが、全く触れられていません。これは、他の計画の話と違い、ドラマがないからですかねぇ。 日本語版のナレーションは、宮迫博之。意外に良いです。洋画は基本的に字幕でしか見ないんですが、この作品は吹替えでもOKでした。って言うか、ドキュメンタリーだし、これは吹替えの方が良いと思います。
\500円で観れました
過去のドキュメンタリー映像での焼き直しなのでほとんどが見た映像ばかりです。でも近代(スペースシャトルの世代)の映像はとても綺麗でしかも劇場の迫力と相まって好感が持てました。宮迫氏のナレーションをどう捉えたら良いですかね…
なぜ宇宙へと向かうのか?無限のフロンティアに向かうROCKETMANたちの勇気と情熱を浮き彫りにした作品でした。
『アース』の次にBBCドキュメンタリーが選んだテーマは、宇宙でした。 昨年ほぼ同じテーマの『ザ・ムーン』を見ました。両方共にNASAの蔵出し映像を編集した作品ですが、比べると『ザ・ムーン』は12人の宇宙飛行士にスポットを当てて、インタビューが中心で、テンポは前半饒舌な感じがしました。但し彼らが語る美しい星々を創られた造物主の存在についてのコメントは凄く感動したものです。 本作でも、宇宙の神秘はラストに語られます。でもむしろ無人飛行実験の時代から累々と積み上げ、宇宙開発の辿ってきた軌跡をテンポ良く綴っていくことで、無限のフロンティアに向かうROCKETMANたちの勇気と情熱を浮き彫りにした作品でした。 しかし挑戦に伴うリスクも余すところなく描かれます。 何度も繰り返し描かれる、打ち上げ失敗シーンは本物だけに凄い迫力です。そして有人宇宙船の事故には、凄く心が痛みました。 特に2003年のコロンビア事故の時は、直前までクルーが、母星の景色に感動してコメントするシーンの直後だっただけにショックでした。 こうした幾多の挫折を乗り越えてでも、人類がなぜ宇宙へ行かねばならないのか?その問いかけに、力強く答えているところが良かったです。 最後のテロップには、NASA Has Dream com soonとあったのが印象的です。 NASAが記録した膨大な映像は打ち上げシーンだけでなく、宇宙船内部の宇宙飛行士の表情や、打ち上げを見守る観客達の様子も克明に記録されていました。それらを細かいカット割りでつなげていった本作は、ドキュメンタリーでありながら、ストーリー性があり、飽きが来ません。むしろ、次々に変わっていく場面展開に引き込まれていきました。 日本語版では、ナレーションを担当する宮迫博之が、コメディアンとは思えない、渋い声で解説。画面に深みを添えていました。 またゴスペラーズの主題歌も良かったです。 最後に、これまでの宇宙開発で、科学の礎として命を落とされた方のご冥福をお祈りします。
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