劇場公開日 2009年8月21日

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「掘り下げ不足なドキュメンタリー」宇宙(そら)へ。 いおりさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5掘り下げ不足なドキュメンタリー

2009年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

今までなかなか見られなかったNASAの蔵出し映像が満載で
その歴史を大まかに辿るドキュメンタリー。

何故宇宙を目指すのか?
という壮大なふりをしておきながらスッキリしない。
宇宙飛行士やそれに関わる人間の熱さを感じられることを期待したが
たんたんとした展開に眠気すら感じてしまった。

綺麗で素晴らしい映像が大画面で見られるとも期待したが、
当時の古臭い映像のみで臨場感にかける。
本来は当時の映像を使ったかなりリアリティ有るはずだが、
SF映画を見なれてしまったせいか、
「これは当時の映像だ!」
そう頭で考えないとそのリアルを感じられない。

ただ、唯一チャレンジャー号の空中爆発は息を呑まされた。
地上の管制官たちが呆然として何も出来ず固まっている姿は、
何よりも雄弁であろうか。

ドラマチックな物語を期待したら、古臭い写真集だった感じ。
期待しすぎたのは確かであるが、
もうちょっとなんとかならなかったのか、というのが正直な感想。
「ライト・スタッフ」や「アポロ13」の事実に則した映画の方が、
宇宙にかける男達の思いを感じられる。

もっとも、思いを込めず事実を淡々と描くから
ドキュメンタリーなんだろうか?
そうだとしても、作品が伝えたかったことが今一つ伝わってこない。

それにしてもナレーションにお笑いの方を使い、
エンドテーマ曲に歌詞の内容と映画が合わない曲を持ってくる。
映画の力が足りず、こうでもしないと客を呼べないのか。

宮迫が上手いとかヘタとかそう言うことではなく、
情熱大陸やWiiのCMでナレーションされている窪田等など
本職の声でこういう硬派な作品を飾って欲しかった。

いおり