「テーマを自ら矮小化し壊してしまっている」インクハート 魔法の声 marumeroさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 テーマを自ら矮小化し壊してしまっている

2025年12月15日
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鑑賞方法:VOD

本来、「魔法の声」というのは“言葉の魔力”や“物語への没入感”といった文学的なテーマである筈です。それが単に安易な視覚効果に留まり、声の力そのものに神秘性を感じられません。
クライマックスが何より良くありません。アレは反則です。都合良くどうにでも出来てしまっては、身も蓋もありません。
そもそも、作中作である『インクハート』に魅力が欠けている、というより、ちゃんと物語として存在していないように思います。元より魔法の声により呼び出される“現象”の一つに過ぎないのです。根幹としてここから物語が破綻しているように思われます。
物語の“言葉がもつ力”、“読む”ことの“魔力”という少し哲学的で魅力的なテーマを、自ずから矮小化して壊してしまったようです。

marumero
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