「物語の良さとグレース・ケリーの可憐さが光る」裏窓 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の良さとグレース・ケリーの可憐さが光る
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総合85点 ( ストーリー:90点|キャスト:90点|演出:80点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
物語も出演者も素晴らしく、今までに十数本鑑賞したヒッチコック作品の中でも最も良い作品。
犯罪を犯すのでもなく犯罪者に襲われるのでもなく、骨折で身動き出来ない男がひたすら退屈しのぎに周囲を覗くだけ。この覗くというのがくせもので、一緒に過ごす人が誰もいない孤独な女性がいる一方で男を何人も連れ込む派手な女性がいたりと、そこではいろんな人間模様が露わにされている。彼らはいったいどんな生活を送りどんな人々なのだろうと、観ているこちらも覗きをしているような気分になって好奇心を刺激してくる。
そしてその中の一つが関係の悪そうな夫婦であり、その妻が突然消えて夫の疑わしい行動が気になってくる。こんなことになってしまえば主演のジェフを演じるジャームズ・スチュワートでなくてもいったいどうなっているのかと興味を持たずにはいられない。果たして事件は起きたのか、それともただの勘違いに過ぎないなのか。
このような設定の作り方と物語の進め方が非常に上手くて、常に次の展開が気になり引き付けられた。最後の場面、あと一週間でギプスが外れる予定のジェフの迎える結末の描き方が滑稽で上手い。
もう一つの注目点はジェフの恋人役のリザを演じたグレース・ケリー。美人で可憐な立ち振る舞いは怪我をしたジェフの生活に潤いを与えるだけでなく、映画にも大きな華を添えていた。最後の場面で優雅に本を読む姿も決まっている。この作品を見て彼女がお気に入りになった。
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